2012年に米ニューヨークの野外広告塔に登場した日本を批判する意見広告をめぐり、依頼主の韓国人と、広告塔を管理する米広告会社の間で金銭トラブルになっていることが分かった。約540万円の広告費が未払いだという。

 複数の韓国メディアによると、広告の未払いを明らかにしたのは在米韓国人記者のアン・チヨン氏。5日、自身のブログに、米広告会社「シティアウトドア」が広告の掲載でかかった費用10万ドル(約1020万円)のうち、5万3000ドル(約540万円)が支払われていないとして、広告代理店「ISEAコミュニケーション」(以下、ISEA)を相手取り提訴したことを明らかにした。

 ISEAは韓国系米国人が経営する広告代理店で、韓国人歌手のキム・ジャンフンや徐敬徳(ソ・ギョンドク)誠信女子大教養学部教授から広告掲載の依頼を受け、慰安婦や竹島問題に関する日本批判の広告をシティアウトドアを通してタイムズ・スクエアの広告塔に掲載していた。

 広告費は全額キム氏が捻出したもので、徐教授を通じてISEAに振り込まれたが、シティアウトドアには一部しか支払われなかった。シティアウトドア側は2013年6月、「ISEAが12年11月と12月の2か月分の広告費5万3000ドルが未納」だとして、支払われていない広告費と回収費用を合わせた計7万ドルの支払いを求める訴訟を起こした。

 訴状には、韓国MBC放送のバラエティ番組「無限挑戦」が制作し、12年11月にタイムズ・スクエアに掲載されたビビンパをテーマにした韓国PR映像の費用(4000ドル)も未払いだとする内容が含まれているという。

 一方、徐教授は6日、ISEAと未払いの費用について話し合い、3月末までにシティアウトドア側に支払うとの約束を取り付けたと説明した。(編集担当:新川悠)