【米国はこう見ている】カブス監督がマー君獲得に向け日本語習得へ

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田中はチーム再建の切り札

 楽天の田中将大投手獲得に総額1億ドルという破格の条件を提示しているとされるカブスのリック・レンティリア監督が田中と交渉を持ったことを認め、同選手の獲得時に備えて日本語習得の準備を整えていることを明かした。地元紙シカゴ・トリビューンが報じ、全米で話題となっている。

 「田中とは素晴らしい会談を持つ事ができた。その時は通訳を介してだったが、実はロゼッタストーンの日本語バージョンを発注したんだ」

 ロサンゼルスでメディカルチェックを終えた田中と会談を行った指揮官はこう語ったという。ロゼッタストーンとは言語習得プログラム。田中の英語習得に時間が必要と見たのか、あるいは田中との再交渉時に熱い気持ちを伝えるためなのか、レンティリア監督は自ら日本語を学ぶ姿勢を打ち出した。

 2013年のワールドベースボールクラシックでメキシコ代表を率い、昨年11月7日にカブス監督に就任したばかりの指揮官は、昨年66勝96敗でナ・リーグ中地区最下位に終わったチーム浮上の切り札として、田中の獲得に全力を注いでいる。ヤンキースドジャースエンゼルスなど争奪戦を繰り広げるライバルチームとの差別化を明確にする監督自らの日本語習得によって、田中獲得にかける本気度と誠意を示す狙いがあるのかもしれない。

 昨年低迷したカブスだが、ファームや若手に多くのタレントを擁していることが田中へのセールスポイントだという。

 「我々には現有戦力以外にも、多くのタレントがいる。今後(リーグに)巨大なインパクトを与えるであろう若手の質の高さが、我々の組織にはある。問題は我々がそのタレントをどう導くか。ただメジャーに昇格させたいのか、それともチームで活躍させたいのか。我々はこの使命を実行し、勝つためにプレーしなければいけない。そのためには様々なピースが必要となるし、クラブが一体にならなければいけない。多くの人間の力が必要になるだろう」と監督は力説する。チーム再建の最大のピースとして、田中にかけられる期待は大きい。