「密漁海岸」が掲載された週刊少年ジャンプ2013年46号。表紙はアーティスト清川あさみ氏とONE PIECEのコラボレーションとなっている。

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全世界のジョジョ紳士&淑女の皆様にとってはいまさらな情報かもしれませんが、10月12日(土)発売の週刊少年ジャンプ誌において「岸辺露伴は動かない エピソード6 密漁海岸」が掲載されています。これは読んでない人は今すぐ買いに行かなければなりません!

「岸辺露伴は動かない」は、不定期で掲載されている読み切り短編です。「ジョジョの奇妙な冒険 第四部 ダイヤモンドは砕けない」に出てきた人気キャラクター「岸辺露伴」を主人公としたシリーズで、漫画家である彼が持ち前の好奇心から自ら巻き込まれていった奇妙な事件のお話を描いたものになります。

実はこの岸辺露伴を主人公とした作品は、「岸辺露伴は動かないシリーズ」だけでなく、さまざまなものがあります。少しここでタイトルと掲載年および掲載誌を整理してみましょう。

「岸辺露伴は動かない 〜エピソード16:懺悔室〜」週刊少年ジャンプ1997年30号掲載
「岸辺露伴は動かない -六壁坂-」 ジャンプSQ.2008年1月号掲載
「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」ウルトラジャンプ2010年4月号〜6月号掲載
「岸辺露伴 グッチへ行く」 SPUR2011年10月号掲載
「岸辺露伴は動かない 〜エピソード5:富豪村〜」 週刊少年ジャンプ2012年45号掲載

このうち、懺悔室は短編集「死刑執行中脱獄進行中」に収録され、ルーヴルへ行くは愛蔵版コミックスで1冊にまとまっております。

今回の密漁海岸は週刊少年ジャンプ2013年46号掲載です。約1年ぶりの登場ですね。動かないシリーズは「原作:岸辺露伴 作画:荒木飛呂彦」という体裁を今までとっていたのですが、本作密漁海岸では「荒木飛呂彦」とだけクレジットされています。

六壁坂にエピソード番号が書かれていないのは、別に僕が調べ忘れたわけではありません。外伝1作目のエピソード16:懺悔室を描いた時には、「いくつか外伝のある中の1本というニュアンスが出せれば」ということでエピソード16としたけれども、10年後に2作目を描いた時にはナンバーのことを忘れていて、富豪村のときにナンバーを入れてもらったということが(当時の)担当編集者へのインタビューで明かされております(JOJOVELLER収録)。

密漁海岸の舞台は第四部でおなじみの杜王町になります。イタリア料理人トニオ・トラサルディーとともに海に潜り、ウニならぬアワビを採るというお話です。第四部でも屈指の人気を誇る「イタリア料理を食べに行こう」のトニオがまさかの再登場です。これだけで読むしかない! と思った方も多いのではないでしょうか。そして、杜王町のモデルは宮城県の仙台市と言われていますから、三陸海岸で海に潜る、いわば北の海女(男だし、タイトルにもある通り密漁ですが)に露伴達が扮するのですね。これはもう「じぇじぇじぇ?!」ならぬ「じょじょじょ?!」と言いながら読むしかありません。

ちなみに、今回はトニオが出てくるので、料理もテーマのひとつになっています。ここで「協力」にクレジットされているのは森崎友紀。美人すぎる料理研究家として話題になり、現在は同じ週刊少年ジャンプで連載されている「食戟のソーマ」の料理協力も行っています。

なお、ジャンプを買い損ねてしまった方、単行本になるまでグッと我慢する派の方もご安心ください。岸辺露伴は動かないシリーズが単行本にまとまり、11月19日に発売されます。「岸辺露伴グッチへ行く」も収録されるので、これで全ての岸辺露伴シリーズを単行本で読むことができるようになりました。ここできっと「六壁坂」のエピソード番号が明らかになったり、「原作:岸辺露伴 作画:荒木飛呂彦」がきちんと整理されるのでしょう。今からこちらも楽しみでしょうがありません。
(杉村 啓)