「みょうがを食べると物忘れする」は本当!? 「食のことわざ」トリビア・4選
「それを食べると物を忘れる」と言い伝えられる食材があること、ご存知ですか? 何かといえば、薬味などで大活躍の「茗荷(みょうが)」です。
でも、実は「茗荷を食べると物忘れする」というのは迷信のようで、そのような成分はまったく含まれていないとのこと。むしろ香り成分に集中力を高める効果があることがわかり、形勢は一気に逆転! 物忘れしないように、茗荷をたくさん食べましょう。
しかし、火のないところに煙は立たぬと申します。なぜそのような迷信が生まれたんでしょうか? ……ということで、食のことわざ&言い伝えトリビアとその真相について調べてみました!
■「茗荷(みょうが)を食べると物忘れする」
お釈迦様の弟子のひとりが、どうしても自分の名前を忘れてしまうので、お釈迦様は名札をつけさせました。しかし、その弟子は名札をつけたことを忘れてしまったそうです! その名札のことを「名荷(みょうが)」といい、それが茗荷と同音であったために生まれた俗信だとか。他にも諸説あるそうですが、迷信であることは間違いないようですので、安心して食べましょう。
■「食べてすぐ寝ると牛になる」
食事を終えて、そのまま横になって寝てしまう……お行儀が悪いことから、お母さんに「牛になるよ!」なんて怒られた記憶はありませんか? 実際、このことわざは行儀の悪さを戒めるために使われるようですが、食べてすぐ横になることは、実は医学的にはとてもいいそう。食後に眠くなるのは、血液が胃腸周りに集中することで脳内血流量が低くなるためだそうですが、食後にこの状態を保つのは消化を大いに助けるのでヘルシーとのこと。牛になるのは困りますが、おなかにやさしい習慣らしいので、食べたらすぐに寝ちゃいましょうか!?
■「花見過ぎたら牡蠣(かき)食うな」
欧米では「Rのつかない月には牡蠣食うな」といい、5月〜8月の牡蠣は食べないように、という意味だそう。この期間が牡蠣の産卵期で、生殖巣が成熟することで毒化しやすく、食中毒の危険が高まる……ともいわれるそうですが、実際は毒性が高まるのではなく、身がやせてしまい、単純に美味しくない時期というのが本当のところのよう。さらに岩牡蠣については真逆で夏が旬ですから、お花見が過ぎてからでも牡蠣は楽しめそうですよ。
■「うどの大木」
「木偶の坊(でくのぼう)」などと同じ意味で使われて、「役に立たない」様をいう言葉です。うどの大木がなぜ役に立たないのかというと、うどの木は軟らかすぎて材木にならないから、だそうです。食用できる若芽の時期を過ぎると何の役にも立たないということは、うどは超早熟型だったのか。ちなみに漢字では「独活」と書きますが、確かに幸が薄そうな印象ですね。「うどちゃん、がんばれ!」と応援したくなります。
いかがでしょうか。食のことわざは意外なことに、実態とは少々離れたものも多いようです。とはいえ、茗荷を食べても、花見を過ぎてから牡蠣を食べても、そのまま寝転がっても大丈夫なようで、安心しました!
(皐月半生/サイドランチ)