富士通の「浮気携帯」
富士通の携帯電話「Fシリーズ」は、「プライヴェート」に設定した連絡先からの着信やメッセージを簡単に隠せるプライヴァシー機能ゆえに、日本では「浮気携帯」として知られているという。
開閉式の同シリーズは、市場に出て5年が経つ。しかし最近、Wall Street Journalの記事のなかで、通称「ばかなべ」という日本人の出会い系ブロガーによって、パートナーに見られたくない着信やメッセージがある男性(そして女性)が好む一台であることが暴露された。
Fシリーズのプライヴァシーモードでは、一部の連絡先をプライヴェートに設定できる。プライヴェートにした相手から着信、電子メール、メッセージなどの連絡があった場合、Fシリーズは通常の履歴や証拠を残さない。代わりに、バッテリー残量や電波状態を示す表示の、色や形をわずかに変化させる。
プライヴァシーモードは秘密のキーコンビネーションでオフになり、隠されていた着信やメッセージが表示される。疑い深いパートナーのそばに置きっ放しにしていても、見破られる危険はまずないのだ。この機能はパートナーをだます人たちに人気を呼び、「浮気携帯」というニックネームが付けられたという。
富士通がこの機能を開始したのは2002年だが、同社が「浮気」を売り物にしているわけではない。同社はセキュリティやプライヴァシーのための機能だとしている。
富士通は同社の携帯を次第にスマートフォンに置き換えているが、プライヴァシー機能も移動させている(ただし、最新版では追加のアプリ・ダウンロードが必要だ)。
富士通だけがこういう機能を提供しているわけではない。2011年には「Loky Plus」というスマートフォンのアプリが公開された。詮索するパートナーの目からメッセージや通話を隠し、2重生活を可能にするものだ。
Loky Plusは携帯電話上にセキュア領域を設定し、秘密にする連絡先はそこに入れる。すると、その連絡先との通話やメッセージはLoky Plusの管理になり、データがほかとは別に記録されるのだ。「Call and Text Eraser(CATE)」も、同様のセキュリティを提供している。
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