インタビューを受けた際に、「暴力団につきまとわれ、襲撃されたこともあるので銃や手榴弾(しゅりゅうだん)を持っていた」という過去を明かしたジャッキー・チェン。違法所持の疑いで、警察が事情聴取すると伝えられた。(写真は「CNSPHOTO」提供)

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 中国誌「南方人物週間」のインタビューを受けた際に、「暴力団につきまとわれ、襲撃されたこともあるので銃や手榴弾(しゅりゅうだん)を持っていた」と明かした成龍(ジャッキー・チェン)。違法所持の疑いを持たれ、香港警察が事情聴取すると伝えられている。そのインタビューの概要は以下の通りだ。(写真は「CNSPHOTO」提供)

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 闇社会との関係について聞かれたジャッキーは、「反抗的な態度をしめし、芸能界の仲間を守りました。当時の彼らは、劉徳華(アンディ・ラウ)たちに実際に銃を向け脅迫していた。撮影現場にやって来て、別の作品の現場に行くようにと指示をする。10万香港ドル払う現場もあれば2000香港ドルしか出さない現場もあると、各現場の“場所代”を報告されて嫌な思いをしていました。僕の事務所には張曼玉(マギー・チャン)、王祖賢(ジョイ・ウォン)、張学友(ジャッキー・チュン)というスターたちがそろっていて、ボスを務めていたのでみんなを守らなければならない義務感があった。脅迫されてアメリカに逃げた時もあったが、飛行機から降りた瞬間に発砲され、身を守るために仕方なく拳銃3本を所持していた。香港に帰ると闇社会の関係者20数人に囲まれ、彼らが包丁を持っていたので、僕は拳銃と手榴弾で抵抗。かなりのお金を使って、人を雇ったりするなどして対処した」と赤裸々に語った。

 また自身は闇社会の人間ではないことを強調し、「もしその社会で生きていたとしたら、イギリス女王の勲章はいただけなかったと思う。また香港人は国籍についての悩みもあって、子どもの頃に西洋人にいじめられた経験や、香港が中国に返還された以降はイギリスのパスポートを持っていても、何しに来るのかとイギリス人に確認される。一体自分が何人なのかわからず、混乱することが多かった。なので僕はハリウッド映画『キャノンボール』(1981年公開作)に出演した頃から、中国服を着始めました。スーツを着ると日本人に間違えられることが多かったので、中国人だと見た目でわかってほしくて伝統服を着るようにしていたのです」と思いを述べた。

 続けて「政治家になる気持ちはありますか?」と記者に質問され、「その気はないが、闇社会に対抗するチームを作りたい。特別な訓練を受けた警察官に協力してもらいたいと考え、そういったことにやりがいを感じています。怒られても怒り返せない議員・政治家への興味はありません。昔台湾で違法駐車を取り締まる方法を提案したら、実際に採用してくれた。ナイフで4つのタイヤをナイフで切ったら、車は消え駐車はしなくなったんです。時には実力行使も必要だと思う」と語ったジャッキー。

 ほかには北京の交通渋滞の解消法をアドバイスし、「僕が常に意識していることは、映画を作る時や取材を受ける時……どんな時でも道理や筋道を通すこと。そうすれば世間が認めてくれるし、自分のことより世の人のためという姿勢が伝わるはずだ。食事の時はみんながちゃんと食べたのか、車に乗りこむ時は全員しっかり乗ったのか、現場に行くと各スタッフのポジションは合っているのかといったことを考える。どこの国にいても、相手の立場を考えてから自分のことは後で考える。だから話を聞いてくれる人が多いと考えています。でも僕が100%正しいとは限らないし、今でも毎日勉強を続けています」とアピール。

 上記のインタビュー内容が、銃や手榴弾(しゅりゅうだん)の違法所持にあたるとし、14年以下の懲役の可能性もあると騒がれた。だが「仮に事情聴取を受けた本人が所持を認めたとしても、警察側は証拠が集められなければ手を出せないだろう」という弁護士の発言もあり、ジャッキーの身に何かが起こるわけではないらしい。だがこの騒動、ジャッキーの影響力からすればしばらく続くスキャンダルになりそうだ。(編集担当:饒波貴子・黄珮君)