日本代表がオマーンにアウェイで勝利し、W杯出場に王手をかけた。先制して追いつかれたが、最後は岡崎が決勝点をあげて劇的な勝利を手にした。

その試合展開もあいまって、テレビの視聴率は30%を超えたという。日本のゴールデンタイムにあたる現地時間15時半にキックオフされたというのも大きいだろう。そのために気温は35度を超え、明らかに選手たちの体力を奪っていた。

ただし、それは言い訳の一つに過ぎない。もっと違う戦い方、采配があったのではないかとの強い思いが、勝利を素直に喜ばせてくれない。

序盤からミスを連発していた本田を90分間使い続けたのはなぜだろうか。中村憲のプレーはあの本田よりもクオリティが低いということなのだろうか。いつも言っていることだけど、ザッケローニ監督の采配には疑問符がつくね。終盤、明らかに引き分けを考えた選手交代をした直後に岡崎が決勝点を奪ったことは、皮肉だった。あのゴールは采配ではなく、選手たちの地力によって生まれたものだよ。
 
フランス、ブラジルという強国との試合を経て、再びメインの戦場であるアジアに身を置いた。一連の試合を見ていて強く感じるのは、世界との差は開いているのではないかということだ。
 
アジアというドメスティックな舞台の中では、日本は王様だ。その中で、4.5枠もあるW杯の出場権を獲得することは、それほど難しいミッションではないよ。この中で勘違いしてしまうと、どんどん世界から置いていかれてしまうと思うね。
 
オマーン戦後の選手たちの表情、言葉を聞いていると、それぞれ危機感を抱いているように感じる。ところが、協会、マスコミ、ファンはどうだろう。ぬるま湯で満足していては、井の中の蛙になる。あの程度の試合で、スクランブル交差点がパニックになるのはどうなのかな。日本代表の目指す場所はもっと先にあるはずだ。