練習と毎日の活動の評価についてみると、サッカー選手にとって練習の最も楽しい面はチーム関係の練習であり、技術、ゲーム、戦術に関する運動が含まれていた。毎日の活動に関しては、選手はサッカー観戦のほか、活動的・非活動的娯楽を楽しんでいた。

最も嫌いな活動は、ランニング、ゲーム分析、読書、勉強、サイクリングであった。これらの結果はすべての技術レベルで共通であった。

練習のどの面がサッカーのパフォーマンスと最も関係があるかという質問に対する選手の回答は、コーチとの1対1練習、ランニング、ゲームと戦術、技術トレーニング、および十分な睡眠のすべてが、すぐれたパフォーマンスの前に必要ということであった。

また、練習と毎日の活動のうち最も努力・集中力を要すると評価されたものは、ランニング、筋力トレーニング、コーチとの1対1練習、戦術と技術のトレーニング、および勉強であった。

練習の最も楽しい面は、本物の試合との関係が最も深く、努力と集中力を最も要するものであることが明らかになった。ウェイトトレーニングとストレッチングの評価は高くなかった。

研究では、最高の競技レベルでプレーしている選手は週あたりのトレーニング時間が約17時間のときにピークに達することが認められている。

これは個人スポーツ(平均25時間/週)と比較して少ない。もしかすると、週あたりの練習時間の絶対量を、もっと若い時(例:16歳)から選手生活全体を通じて増やすことが望ましいのかもしれない。しかし、サッカーは身体的に非常にきついスポーツであるため、怪我や病気、オーバートレーニングを予防することのみを目的としても、身体的練習と休息に費やす時間の間で妥協が成立している必要があるということかもしれない。

コーチの立場からは、トレーニング歴が到達するパフォーマンスのレベルと本当に直接的関係を有するならば、練習にもっと時間をかければパフォーマンスが向上する、ということがすべての場合に勧めることができる。サッカーの場合、チーム練習にはすでに長時間が費やされているが、プロとしてのキャリアが深まるにつれ、個人練習は明らかに損なわれてゆく。選手がプロとなり、その結果「仕事」に割ける時間が増えれば、ハイレベルの個人トレーニングを維持することは容易になるであろう。選手が今後の自分のついて個人練習を行うことは、効率的なチーム練習と密接な関係を有するはずである。

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高校を卒業後、ブラジルへ
$和久井秀俊オフィシャルブログ「海外サッカー選手のホンネ」Powered by Ameba

実力の追求に約10年で10,000時間の練習を費やし、幼児期(3〜6歳)にサッカーを始めているというのは共通しているようです。偉大・天才と呼ばれる選手たちもその例外ではありません。

サッカーに限らず多くのスポーツの分野では、始めてからプロ選手となるまでには10年以上掛かるといわれています。サッカーも例外ではなく、サッカーを始めてから9〜12年後(19歳)がキャリアの分岐点となることが調査結果で明らかになっています。また、その間の練習量の増減も、選手のキャリアと深く関係があるようです。

日本では高校生活を終える時期がキャリアの一つの分岐点となるようで、プロサッカー選手を目指しそこに到達できなかった原因を周囲や自身の評価を論点にする方が多くいるようですが、それにより早期に断念し練習量が減少することが、パフォーマンスの向上が見込めない一つの要因であると、この調査結果からもわかると思います。

僕自身は8歳でサッカーをスタートし、約10年後に高校を卒業と同時にブラジルへと渡りました。高校では全国大会に出場することすら、県の代表として国体に出ることも、もちろんプロリーグから声が掛かることもありませんでした。しかし分岐点以後、トレーニングに費やした時間というのは、進学を選択した選手よりもはるかに多かったと思います。

一定の時間を費やせばプロ選手になれるという訳ではありませんが、トレーニングに費やす時間というのは、幼少期やプロ選手の個人練習も含めてキャリア形成において非常に重要だということであり、天才と呼ばれる選手たちも幼少期から十分なトレーニングを費やしているのです。