ブンデスリーガ、香川真司(23)の所属するドルトムントはホームで2位のバイエルンと対戦し1−0で勝利した。これでドルトムントは勝ち点69とし首位をキープ。バイエルンに勝ち点で6差をつけ連覇に大きく踏み出した。香川は厳しいマークの中チャンスを作り自らシュートも放ったがゴールを奪うことは出来ず後半29分に退いた。試合は後半32分、グロスクロイツのシュートをレヴァンドフスキがヒールでコースを変えゴールを奪いこれが決勝点となった。

 試合終了のホイッスルと同時に上下黒のウエアを着た香川が飛び跳ねた。2位バイエルンを突き離すホーム決戦は1−0の勝利。これでドルトムントはブンデスリーガ連覇に大きく近づいたことになる。昨シーズンはアジアカップの負傷で後半を棒に振った香川だが、今シーズンはコンスタントに出場しドルトムントの快進撃に大きく貢献している。それだけに頂上決戦を制した喜びは大きかったに違いない。

 23戦無敗のドルトムントに対して公式戦9連勝中のバイエルンと好調同士の天王山はまさに手に汗握る緊張感溢(あふ)れる試合だったと言っていいだろう。ドルトムントの切り替えの速いコンパクトなサッカーに対し、バイエルンはリベリー、ロッペンを中心に卓越した個の力で対応し、お互いの持ち味を出しぶつかり合う。香川は後半6分、ブラフチコフスキのクロスをヘッドで合わせるがGKの正面、また後半28分には自ら持ち込んでシュートを放つがゴールは成らなかった。  ドルトムントの殊勲者はレヴァンドフスキ。ハードな日程ながらタフに動きまわり運動量が落ちる事がない。確かにミスもあるが味方の運動量が落ちる時間帯でもよくチームを助け、決勝点も技ありのヒールシュートだった。一方のバイエルンは良くも悪くもロッペンが主役と言っていいだろう。後半に入ってリベリーとポジションチェンジを繰り返しスピードあるドリブルでドルトムント守備陣を切り裂く。彼もまた連戦続きながら全く運動量は落ちないところが素晴らしい。後半40分、GKヴァイデンフェラーに倒され得たPKを決めていればバイエルンの救世主となれたところだ。しかし残念ながらここはヴァイデンフェラーに読み切られて決めることはできず、また後半ロスタイムにはDFのクリアボールがバーに当たって跳ね返るところをゴール前で詰めるという決定的なチャンスを得るが、ミスキックで決め切ることができなかった。

 ドルトムントは14日、内田篤人(24)が所属するシャルケとアウェーで対戦する。チャンピオンズリーグを残すバイエルンに対してドルトムントは日程的には有利だが、対戦相手はバイエルンよりは厳しい。天王山ではゴールに絡めなかった香川。後半にやや疲れが見える事があるが彼がドルトムントの攻撃の中心であることは変わりない。ドルトムント連覇なるか?残り試合も香川の活躍に期待したい。(編集担当:田村和彦)