大学秋入学は新卒一括採用を変える、か?/増沢 隆太
東大が音頭をとって旧帝+東工大等が賛同を示しているという「大学秋入学」ですが、新しい制度につきものの賛否の声が両方あります。大学側や学生側からは就活における効果、「新卒一括採用」を崩す効果を期待するとの声もあるようです。しかし秋入学が広まっても一括採用システムは変わらないと予想します。
私は秋入学化に反対ではありません。しかしこれが就活激化を沈静化させたり、新卒一括採用をやめさせる、とも思いません。理由は2つです。
一つ目は、秋入学移行は外国人や海外から日本の大学への入学を促進するのには有効だと思いますが、それは就職とはリンクしません。東大を筆頭とするエリート校が一斉に変わるのであれば、それらを採用したい企業は当然タイミングを合わせてくるでしょう。結果として「一活採用」自体は変わらないか、もしかすると秋入学のエリート学生選考と、それ以外の大学生選考と「二括」選考になるかも知れません。
企業の新卒一括選考は企業にとってコスト配分や効率の点でメリットが大きいから存続している訳で、それを覆すほどのインパクトのある施策が無ければそうそう変わることはないと言えます。秋入学に対する企業アンケート等でもこうした一括から二括くらいへの変更を考えているところが多いようです。
就活の激化と一括採用は直接は関係ありません。もし一括採用がなくなれば、今度は通年での採用となりますから、就職が決まらない学生は勉強そっちのけで、決まるまで終わりなき就活をしなければならなくなります。
一括採用のせいで大学生が苦労しているのではなく、採用数がたいして増えていないのに、大学生数が増えすぎたことが原因なのですから、この根本的要因が変わらない限り、「総ての大学生が楽に就職できる」環境は来ないでしょう。景気循環を待っても、欧州危機等かかえる現状ではそうそう好景気が巡ってくる兆しは見えません。
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私は秋入学化に反対ではありません。しかしこれが就活激化を沈静化させたり、新卒一括採用をやめさせる、とも思いません。理由は2つです。
企業の新卒一括選考は企業にとってコスト配分や効率の点でメリットが大きいから存続している訳で、それを覆すほどのインパクトのある施策が無ければそうそう変わることはないと言えます。秋入学に対する企業アンケート等でもこうした一括から二括くらいへの変更を考えているところが多いようです。
就活の激化と一括採用は直接は関係ありません。もし一括採用がなくなれば、今度は通年での採用となりますから、就職が決まらない学生は勉強そっちのけで、決まるまで終わりなき就活をしなければならなくなります。
一括採用のせいで大学生が苦労しているのではなく、採用数がたいして増えていないのに、大学生数が増えすぎたことが原因なのですから、この根本的要因が変わらない限り、「総ての大学生が楽に就職できる」環境は来ないでしょう。景気循環を待っても、欧州危機等かかえる現状ではそうそう好景気が巡ってくる兆しは見えません。
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