いよいよチャンピオンズリーグの決勝トーナメントがスタート。内田の所属するシャルケ04は、スペインのバレンシアとのアウェイでの対戦になったが、貴重なアウェイゴールを挙げての価値あるドローとなった。

とは言え、試合の内容的にはかなりバレンシアの一方的なペースで、シャルケもばるべくラインを上げて中盤のプレスで対抗しようとはしていたのだが、バレンシアはソルダードやアドゥリスのDFライン裏への飛び出しでラインを下げさせては、サイドへと展開する巧妙な戦略でシャルケを機能不全に陥らせた。

序盤のビッグチャンスに空振りしたフンテラールはこの試合でも基点として機能できず、シャルケは前線へ縦のボールが入れられないのでボランチが高い位置に上がれず、そうなるとどうしても中央を固めざるを得ないのでサイドの守備が薄くなり、シャルケはバレンシアにサイドで数的優位を作られるとほとんど攻撃を止めることが出来なかった。

前半17分の失点も、ウイングをマークしていた内田のサイドをマチューがオーバーラップ、内田は慌ててマークにつこうとしたが振り切られ、アジアカップ韓国戦での前田の得点を思い出させるようなクロスからの失点を喫してしまった。

その後もバレンシアはサイドを制圧し続けて何度も決定的なチャンスを作り、いつ2点目が入ってもおかしくない展開が続いたのだが肝心のシュートがなかなか決まらず、逆に後半19分、シュミットからのパスを受けたラウルがうまく反転し、相手のスライディングの股を通す技ありのシュートで同点に追いついてしまう。

バレンシアはビセンテやホアキンを入れてなおも攻め続けたが、シャルケは守備に人を割いて何とかバレンシアの猛攻をしのぎ続け、最終盤にシュミットが2枚目のイエローで退場となったものの、最後までバレンシアの得点を許さず試合はドローで終了。

内田は失点にからみはしたものの、本来であればSBマチューのオーバーラップはマッチアップしていたファルファンが見るべきものであり、そこからよーいドンで追いつけというのが無理な話で、彼に責任はほとんど無いと見るのが当然だろう。

序盤こそボランチとの連携が取れずに何度もサイドを破られたが、特に同点に追いついてからはDFラインとうまく歩調を揃えてバレンシアの際どいパスを跳ね返し続け、苦しい場面でのビルドアップの貢献は言うまでもなく、この試合ではかなり内田の貢献度は高かったのではないかと思う。

アウェイゴールの1-1で、形の上ではシャルケ有利で折り返しはしたが、現在のチーム力で言えばバレンシアが上回っているのは間違いなく、第2レグでもシャルケが厳しい試合を強いられるの可能性は高い。それまでに問題の核であるフンテラールが復調するか、それとも他の選手に替えるのか。マガトの舵取りに注目である。

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