コスト低減のパンドラの箱を開けよう/中ノ森 清訓
モノにもサービスにも適正コストというものがある。つまり、購入金額の大きい目につきやすいアイテムだけを対象としたコスト削減、経費削減はやがては行き詰る。そうした状況を打破するには、これまで難しくて社内の誰もが手をつけなかったような取り組みに着手するしかない。
調達・購買業務、コストを巡っては、二つの考え方がある。コストはいつまでも下がり続けると考える派とものごとには適正なコストがあると考える派の二つだ。ちなみに弊社は後者の適正コスト派の立場を取っている。
後者の適正コスト派の思想を端的に表したツールにコストテーブルがある。コストテーブルは、モノ・サービスの価格を価格構成要素別に展開し、それぞれの要素毎の単価を明らかにしたものである。適正コスト派の立場に立つものは、この要素毎の単価についてそれぞれ適正コストがあると考え、これを積み上げることにより、どんなモノ・サービスでも、突き詰めれば適正なコストを予め算出できると考える。
精度の高いコストテーブルを買い手企業側で算出できるようになると、サプライヤの選定や見積の査定の精度が上がるというメリットがある。弊社ではあるお客様の調達・購買部門の年間の研修プログラムを請け負っているが、当然、コストテーブル作成のトレーニングセッションを設けている。
そのセッションで、演習として実際に自分の担当している材のコストテーブルを作成してもらった所、ある委託加工のカテゴリでは、50品目位程あったが、すべてのサプライヤが赤字となっていることが明らかになった。
原価管理のしっかりしている大手企業の方には驚きかもしれまないが、それ程驚くことではない。まだサプライヤに中小企業が多く、どんぶり勘定でやっているような材カテゴリの業界ではよくあることだ。
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調達・購買業務、コストを巡っては、二つの考え方がある。コストはいつまでも下がり続けると考える派とものごとには適正なコストがあると考える派の二つだ。ちなみに弊社は後者の適正コスト派の立場を取っている。
精度の高いコストテーブルを買い手企業側で算出できるようになると、サプライヤの選定や見積の査定の精度が上がるというメリットがある。弊社ではあるお客様の調達・購買部門の年間の研修プログラムを請け負っているが、当然、コストテーブル作成のトレーニングセッションを設けている。
そのセッションで、演習として実際に自分の担当している材のコストテーブルを作成してもらった所、ある委託加工のカテゴリでは、50品目位程あったが、すべてのサプライヤが赤字となっていることが明らかになった。
原価管理のしっかりしている大手企業の方には驚きかもしれまないが、それ程驚くことではない。まだサプライヤに中小企業が多く、どんぶり勘定でやっているような材カテゴリの業界ではよくあることだ。
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