これは、昨年(2010年)後半、メルマガ『スーパー広報術』に連載した記事を統合・一部リライトしたものです。なお、原書に基づいて執筆したため、翻訳版とは日本語の表現が若干異なっています。

●マーケティングの進化

さて、『Marketing3.0』では、これまでのマーケティングの進化についても、実に手際よく、わかりやすく説明されています。本書によれば、マーケティングは大きく3つの基本的な考え方に基づいて進化してきています。

すなわち、「製品管理」「顧客管理」「ブランド管理」の3つです。

「製品管理」とは、製品の開発・生産・販売に重点を置いたもの。
作れば売れた時代のマーケティングですね。日本で言えば高度成長期。
冷蔵庫、エアコン、自動車など、生まれて初めて買うという消費者がほとんど。
いい製品を作ること、その存在を広告することだけを考えていれば十分でした。

しかし、市場が成熟し競合も激化。新規購入ではなく、買い替え、買い増しの消費が主流となると、「どんな製品を買うか」ではなく、「どの企業から買うかという判断が重要になってきます。このため、製品だけでなく、顧客対応やサービスの充実が求められるようになってきた。

そこで「顧客管理」がマーケティングにおける中心課題となったのです。
私の専門としている「CRM(Customer Relationship Management)が、
当時の最新のマーケティングの考え方として大きな注目を浴びました。

そして、顧客管理に続く、マーケティングの進化として生まれてきたのが、「ブランド管理」です。「ブランド」とは、消費者の頭の中にある、商品についてのイメージや好き嫌いなどの評価や感情のこと。

マーケティングは、製品や顧客との関係性を管理するだけでなく、
消費者の頭の中にあるブランドを望ましい形で形成することに目を向けるようになったのです。

●マーケティング=経営

マーケティングの進化には、別の視点もあります。Marketing3.0で

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