ベンフィカのCL敗退が決まっているとあって観客はさすがにガラガラだが、まだベンフィカにはEL出場権がかかっているし、シャルケもグループ1位がかかった試合なので、試合内容はそれなりに本気度は高かった。

とは言え、やはりシャルケのほうがモチベーション的には上のようで、前半はシャルケが非常にコンパクトな守備陣形で集中力高くベンフィカの攻撃を跳ね返し、たまにサビオラがDFラインの裏へとスルッと抜け出しても、シャルケは絶妙のラインコントロールでオフサイドに引っ掛け、ベンフィカに勢いを与えない。そして20分には、左からのクロスをラウルがつなぎ、そこに飛び込んだフラドがゴールに叩き込んでシャルケが狙い通りに先制する。

後半からベンフィカはアイマールを投入し、サビオラと共にメッシ以前はアルゼンチンを担うスターと見られていた2人の豪華競演となったが、そのアイマールが中盤でうまくフリーになる動きでシャルケを混乱させ、ベンフィカは前線の選手を封じる事で精一杯のDFラインの裏へと中盤の選手がオーバーラップし、そこにアイマールからのパスを合わせてチャンスを作るが、好調を維持しているGKノイアーの壁を破る事ができない。

すると後半36分に、セットプレイから相手がラインを上げたところでヘヴェデスがタイミングよくゴール正面に飛び出し、シャルケは試合を決める2点目をゲット。ベンフィカは42分にルイゾンが1点を返すものの反撃はそこまで。シャルケは勝利でグループ1位を決定し、裏の試合でリヨンとハポエル・テルアビブが引き分けたために、ベンフィカはグループ3位でヨーロッパリーグへの出場を何とか手にした。

この試合のシャルケは、ファルファンが出場停止のために左SHでラキティッチが先発、フラドが右SHに回った。となると、ポジションを中にとりがちなフラドのおかげで内田の前のスペースががら空きになるので、そこを内田がどう対処するかに注目していたのだが、フラドがいない時には高い位置取りでスペースを埋め、相手のオーバーラップにも機敏に反応し、かつての代表戦で見たような危ういポジショニングを全く見せなかった事には驚くしかなかった。

ボランチやCBとの連携も良く、内田がアタックに入ったら必ず後ろは誰かがカバーに入っており、一度だけサイドの連携で崩された事はあったが、後はほとんど内田のサイドは危なげが無かった。彼のビルドアップ能力は今はシャルケには欠かせないし、現在は香川や長友に世間の注目が集まっているけど、案外内田のほうが、先にビッグクラブに移籍する事もあり得るんじゃないかと思ってしまった(笑)。是非、決勝トーナメントでも勝ちあがって、自身の値段を釣り上げてもらいたいところだね。

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