担当M(以下M):ラモスさんがJリーグ再開前にもっとも注目する選手にあげていた中村俊輔選手が清水戦でFKからゴールを挙げました。

ラモス(以下R):うれしいね。FKをきっかけにベストフォームを取り戻してほしいね。もっとすごいプレーができる選手だからね。

M:先日ラモスさんは横浜FMの練習場に行こうとしていたんですってね。

R:俊輔に会いたくてね。でも出張から戻ってくる時間が横浜FMの練習時間に間に合わなくて行けなかったんですよ。早起きしたんだけどダメでした。

M:何を中村選手に伝えに行こうと思ったのですか?

R:代表引退だなんてまだ早過ぎるって伝えたくてね。僕が今の俊輔の年だったころは走り回ってたんだから。神様が俊輔に与えてくれた才能を粗末にしちゃいけない。その左足は子どもたちを喜ばせるために神様が俊輔に与えてくれたんだよ。俊輔のためだけと思っちゃいけないよ。人間は必ず波があるけど、俊輔が悪かったのはちょっとの間だけ。それなのに気持ちを落ちちゃいけないよ。これで引いたら負けだよって。ワールドカップで2002年はメンバーに選ばれなくて、2006年はボロボロに負けて、2010年は少ししか出ることができなくて、それで終わりでいいのかよって。俊輔らしいのは2014年、ブラジルでしっかり活躍して、それでその後のことを考えるべきだよ。だから今アピールして、次の代表にも入ってくれよって、そんなことを直接伝えたかったんですよ。目を見ながら。

M:これから中村俊輔選手がさらに調子を上げるためには、どんな考えでプレーすればいいのでしょうか。

R:俊輔にはもっと楽しんでプレーしてほしいんですよ。あのサッカーバカな俊輔の姿をもう一度取り戻せばそれでもう大丈夫。

M:ラモスさんもこれまで心が折れそうになったときがあると思うのですが、そんなときはどうやって乗り切ったのですか?

R:僕は目の前に合ったワールドカップに出ることができなかった。それにはすごく落ち込みました。そこから立ち上がることができたきっかけは、結局サッカーと家族でした。子どもたちの笑顔を見るためにはサッカーやるしかないって。それに自分のことを信じてたから。どうやってこの状況を乗り切るのかって、自分で自分を見ながら楽しんでたんですよ。きっと俊輔も今同じような気持ちになれると思う。楽しそうにプレーするのが俊輔のいいところなんだからね。