コンフェデレーションズカップでグループリーグ敗退に終わったイタリア代表。指揮官マルチェロ・リッピは世代交代を含めた刷新を考えている。はたしてどの選手が残り、どの選手が代表から追われるのか。そして誰が新たにイタリア代表に加わるのだろうか。

GKジャンルイジ・ブッフォン(ユベントス/31歳)とDFファビオ・カンナバーロ(ユベントス/35歳)の残留は確実で、岐路に立たされているのが、DFファビオ・グロッソ(リヨン/31歳)、MFジェンナーロ・ガットゥーゾ(ミラン/31歳)、FWファビオ・クアリアレッラ(ナポリ/26歳)だ。新戦力には、今回のコンフェデレーションズカップのメンバーに入ったDFダビデ・サントン(インテル/18歳)、FWジュゼッペ・ロッシ(ビジャレアル/22歳)に加え、MFガエターノ・ダゴスティーノ(ウディネーゼ/27歳)、DFマルコ・モッタ(ローマ/23歳)、MFクラウディオ・マルキジオ(ジェノア/23歳)、FWジャンパオロ・パッツィーニ(サンプドリア/24歳)らの名前が挙がる。またFWマリオ・バロテッリ(インテル/18歳)や、FWアントニオ・カッサーノ(サンプドリア/26歳)にも代表入りの可能性もあるだろう。

コンフェデレーションズカップのイタリア代表からは、世界王者の風格が感じられなかった。つまりこれは、2010年南アフリカ・ワールドカップに向けて、代表選手の見直しを図る時期に差し掛かっているということを意味している。

◆GK
このポジションは長きに渡って君臨するブッフォンで問題ない。その次は? フェデリコ・マルケッティ(カリアリ/26歳)を2番手に昇格させる。年齢的に見て3番手には、マルコ・アメリア(パレルモ/27歳)やモルガン・デ・サンクティス(ガラタサライ/32歳)ではなく、U−21代表の守護神アンドレア・コンシーリ(アタランタ/22歳)を推す。

◆DF
リッピ監督は、カンナバーロを信頼している。またジョルジョ・キエッリーニ(ユベントス/24歳)を外す理由もなく、サントンは守備陣の未来だ。一方で、ジャンルカ・ザンブロッタ(ミラン/32歳)、ニコラ・レグロッターリエ(ユベントス/32歳)、グロッソは当落線上に立っており、またアレッサンドロ・ガンベリーニ(フィオレンティーナ/28歳)がコンフェデレーションズカップのメンバーに選ばれたのは不可解だった。

新たに加わるのは、右サイドバックにモッタ、左にはドメニコ・クリーシト(ジェノア/22歳)、パオロ・デ・チェリエ(ユベントス/23歳)が控えている。CBのサルバトーレ・ボッケッティ(ジェノア/22歳)、ファビアーノ・サンタクローチェ(ナポリ/22歳)には成長を期待したい。ダニエレ・ボネーラ(ミラン/28歳)、アンドレア・ドッセーナ(リバプール/27歳)はもう論外だ。

◆MF
アンドレア・ピルロ(ミラン/30歳)、ダニエレ・デ・ロッシ(ローマ/25歳)、マウロ・カモラネージ(ユベントス/32歳)は残る。コンディションが良ければという条件付きでアルベルト・アクイラーニ(ローマ/24歳)も構想に入るだろう。ガットゥーゾは“リンギオ(闘犬)”としてプレーできればギリギリ当確か。新顔としては、ダゴスティーノとマルキジオが有力候補。リッカルド・モントリーボ(フィオレンティーナ/24歳)とパスクアーレ・フォッジャ(ラツィオ/26歳)は今後の活躍次第だ。

マッテオ・ブリーギ(ローマ/28歳)の名前も候補に挙がるが、彼はもう若くない。一方でシモーネ・ペロッタ(ローマ/31歳)はすでに構想から外れている。クリスティアン・マッジョ(ナポリ/27歳)はポジション的に難しいか。

◆FW
今回のコンフェデレーションズカップにもエントリーされた、アルベルト・ジラルディーノ(フィオレンティーナ/26歳)、ヴィンチェンツォ・ヤクインタ(ユベントス/29歳)、ロッシは今後も残り、シモーネ・ペペ(ウディネーゼ/25歳)、クアリアレッラは“放出リスト”に入っている。ルカ・トニ(バイエルン/32歳)はこのまま目覚めなければ、チームから去ることになる。

すぐにでも試したいのが、パッツィーニとアマウリ(ユベントス/29歳)だ。アントニオ・ディ・ナターレ(ウディネーゼ/31歳)、アレッサンドロ・デル・ピエロ(ユベントス/34歳)は年齢的な問題で代表から遠ざかるだろう。フランチェスコ・トッティ(ローマ/33歳)については、何も言うことはない。

チームに適応できるのならカッサーノやバロテッリも候補に挙がる。チャンスがあるのはロベルト・アクアフレスカ(ジェノア/21歳)とセバスティアン・ジョビンコ(ユベントス/22歳)だ。ただしジョビンコはユーベでレギュラーポジションを掴むことが絶対条件だ。

◆システム
今回の惨敗により、4−3−3は棚上げされそうで、リッピ監督は4−4−2の導入を検討している。しかしこのチームの2トップシステムが機能しないことは、コンフェデレーションズカップを見ても明らかだ。ワールドカップに向けて4−2−3−1をふたたび使用することは考えにくいが、ピルロをトップ下に上げるなど、選手のポジションに手を加えればそれも可能か。