幾何学模様を投影させている「投影万華鏡」

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子供の頃、誰しも一度は縁日や雑誌の付録などで万華鏡を手に入れ、遊んだ思い出があるだろう。万華鏡は鏡の反射を利用した玩具だが、その中に広がる無限の世界は、大宇宙をも連想させる美しい世界だ。今回は、そんな万華鏡の世界を部屋いっぱいに投影する「投影式万華鏡」を作ってみた。

■投影式万華鏡とは?

万華鏡は、1816年にスコットランドのサー・ブリュースター博士により偶然に発明された。博士の専門分野は光学で、"ブリュースター法則"や"ブリュースター角"など、現代の最先端技術の基礎となる理論を数多く残し、その名を物理学史に刻んでいる。灯台の光をより遠くに届かせるために光の反射や屈折の実験をした際、2枚のガラスの反射で1つのキャンドルが円形に並ぶのを見て、鏡を使用した万華鏡を発明したという。

今回とりあげる「投影式万華鏡」は、学研の"大人の科学マガジン"で取り上げられたもので、「映す」「覗く」の両方を楽しめるのが特徴だ。本の中では「博士の愛した万華鏡」と題した特集をはじめ、万華鏡作家や万華鏡ショップなど、万華鏡に関連した情報も十分に揃っており、万華鏡を学ぶことができる。
左が冊子、右が付録の「投影式万華鏡」大人の科学マガジン「投影式万華鏡」
左が冊子、右が付録の「投影式万華鏡」大人の科学マガジン「投影式万華鏡」

■投影式万華鏡を作ってみよう

同梱されている付録には投影万華鏡を作るの上で必要なパーツはすべて揃っている。ただし工具と液体のりは自分で用意してから製作しよう。最初に、万華鏡の首と支柱を組み立てる。組み立ての前に電球をソケットに入れてリード線を電池に繋いで電球が点灯するかを確認しておこう。首にソケットを組み込んだら、支柱と組み合わせる。
「投影式万華鏡」のパーツ一式キャプション2
「投影式万華鏡」のパーツ一式組み立てに必要な工具。左からプラスドライバーNO.1、はさみ、ガムシロップ(透明)単三アルカリ乾電池×2本

台座部分の組み立ては、スイッチと電池おさえ、接点スイッチ金具を台座部分に組み込み終わったら、いったんスイッチを回してスイッチの動きを確かめておこう。回転が固いときはネジを少しゆるめて調節しておく。次に、台座に支柱をセットして、電池接点の+と−をそれぞれ台座に組み込む。接点は薄い金属製なので、布をあてがえて押し込むと手を切る心配なしにおこなえる。組み上げが終わったら、新しい単三アルカリ乾電池をセットして、電球が光ることを確かめておこう。

ジョイントを組み立は、ジョイントA、Bをネジで固定し、首にジョイントとキャップをセットする。ジョイントを組み立てるコツは、AとBを斜めにするとツメをひっかけやすい。ネジで固定するときは、ジョイントAのほうからおこなおう。Bのほうからおこなうと、ネジ穴が割れる可能性があるので注意しよう。

投影ユニットは、投影キャップAにレンズ(薄)、投影キャップBの順に部品をセットして、奥まで押し込んでからとめる。レンズ(厚)にレンズ押さえを取り付けたら、鏡筒を使って、レンズ(厚)とレンズ押さえをシッカリと押し込もう。

ここで、いよいよメインの鏡筒部分の組み立てだ。1ミリでもずれると像がボケてしまうので慎重に作業をしよう。鏡の裏面にはってある透明(乳白色)の保護シートを剥がしたら、テープ3本で、3枚の鏡を筒状にしていく。3枚の鏡が作る2等辺三角形は、頂点の角度が30度になるよう調整する。角度がずれていると、像をうまく結ばないのだ。組み立てたら鏡の中を覗いて、2等辺三角形が綺麗に12個並んでいるかを確認しておこう。鏡を鏡筒に入れて投影装置を組み立てれば「投影式万華鏡」の完成だ。
ジョイントに投影ユニットを合体させたところ完成した「投影式万華鏡」
ジョイントに投影ユニットを合体させたところ完成した「投影式万華鏡」

組み立て時のコツだが、付録に付属のネジは、プラスチックに溝を刻みながら留めるネジなので、JIS規格のNO.1のドライバーを使用して、ネジに垂直に力を加えながら回すと、シッカリと固定できる。

■万華鏡を使ってみよう

投影万華鏡は、ビーズが液体の中を動く様子を映しだす。試験管の中に入れる液体は水でもかまわないが、粘りが高い液体ほどビーズがゆっくりと動くので長い間楽しむことができる。中にいれる粘り気がある液体としては、透明な液状のりやガムシロップなどがあるが、グリセリンやシリコンオイルを使ってもよいだろう。

壁に投影する際は、部屋の灯りを消して真っ暗にしておくと綺麗な投影ができる。時々ジョイントを回転させ、試験管の上下を逆転させたり、ビーズを移動させたりすることで、変化にとんだ幾何学模様を楽しむことができる。また、鏡筒を回転させても映る幾何学模様が変わるので試してみよう。

万華鏡と壁は15cmぐらいに離し、投影時のピントを合わせは投影ユニットを前後に移動させることで、調節しよう。
障子に映した万華鏡の幾何学模様幾何学模様を投影させている「投影万華鏡」
障子に映した万華鏡の幾何学模様幾何学模様を投影させている「投影万華鏡」

大きく投影したいときには、レンズ(厚)とレンズ押さえを取り外すと、大きく投影できるが、大きく投影すればするほど、万華鏡の幾何学的な模様や色がボケてしまい見えにくくなる。万華鏡と壁は、75cm以上離す必要がある。直接覗きたい場合には、説明書に従って接眼ユニットを作り、鏡筒やジョイントなどの位置を組み替えるだけでよい。

「投影式万華鏡」は、覗くだけの万華鏡の世界を外界へ広げた点で、画期的な万華鏡だ。大人の物欲を十分に満たしてくれる商品といえるだろう。

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大人の科学「投影式万華鏡」
学研

編集部:関口 哲司
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