『徹子の部屋』にて平野レミさんと和田唱さんが親子初共演。「ピーマン嫌いの息子を好きに変えるために考え出した方法とは。先生も親も巻き込み、おおさわぎでほめて」
2026年2月5日の『徹子の部屋』に平野レミと和田唱さんが登場。親子でのテレビ初共演をはたします。そこで今回、平野さんが自らの子育てについて語った記事を再配信いたします。*****料理愛好家でシャンソン歌手の平野レミさん。レミさんはご主人のイラストレーター・和田誠さんとのあいだで、二人の息子さんに恵まれました。料理に、子育てに、と奔走されていたころの思い出を書いた本『おいしい子育て』から、レミさんの料理哲学や家族への愛情が伝わるお話を紹介します。
【写真】「この方法ならどんな子どももピーマン好きに!」と話すレミさん
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家や家具をわが子のように愛している大工さんの話
うちには保存食品を入れておく大きな収納戸棚があります。その扉がギシギシいうようになりました。ギシギシがどんどんひどくなるので、近所の工務店に電話をしました。
修理にきた大工さんは、扉をさすりながら、「年とったんだなあ」といたわるように言って、かんなでていねいに板を削り始めます。
「扉も年をとると、だんだん下がってくるんですよ。人間の皮膚や筋肉がたるんでくるのと同じです。無理して使ってるとかわいそうだ。この扉は早く手当てしてもらって幸せですよ」。
それからこんなふうに言いました。「ギシギシいうのは、つらいよ、苦しいよっていう合図なんです。ちゃんと聞いてあげてください」。
この大工さんは、家や家具をわが子のように愛しているのですね。子育て真っ最中の私には、大工さんの言葉が、子どもの合図を聞いてやってほしい、と言っているようにも聞こえて、心にジーンとしみました。
子どもには見える大事なもの
ある友人の話。その人が息子さんとおしゃべりをしていると、「**くんがね」「**くんがね」と、しょっちゅう名前がでてくる友だちがいる。元気で、おりこうさんで、クラスの人気者らしい。

『おいしい子育て』(著:平野レミ イラスト:和田誠/ポプラ社)
どんな子なのかしらと思っていたら、学校で、たまたま見かけるチャンスがあった。
「あれが**くんだよ」とその息子さんが指さしたのは、たくさんの友だちに囲まれて笑っている車椅子の少年だった。
「ぜんぜん知らなかったから、正直言ってドキッとしたわ」と、その友人が言います。
そして、「もし私だったら、その子のことを話すとき、からだが不自由で、車椅子に乗っていることを真っ先に言うと思う。なんだか自分が恥ずかしかったなあ」。
大人が気にするようなことは子どもには関係なく、子どもたちにはもっと大事なものがちゃんと見えているんですね。人ごとながら、私も反省させられる、いいお話でした。
いちばん大事なものをあげる人
もうすぐ卒園式という日、次男の幼稚園の先生から電話がありました。
「あのー、息子さんがとっても高そうなアクセサリーを持ってきているのですが」と少し口ごもりながら言います。慌てて幼稚園にかけつけると、先生がイヤリングとネックレスを手に待っていました。両方とも、私が大事にしているものです。

レミさんのお子さんが幼稚園にアクセサリーを持っていった理由とは?(写真提供:写真AC)
「これ、どうするつもりだったの?」ときくと、「Kちゃんにあげるの」と息子が答えました。
Kちゃんは息子と同じクラスの、えくぼがかわいい女の子です。
そうか、これは息子の初恋なんだ! お別れの前に、大好きな女の子にプレゼントしたかったんだ!
「でもね、これは、お母さんのいちばん大事なものなのよ」
「それじゃあ、ぼくのいちばん大事なものをお母さんにあげる」
「いちばん大事なものって、なに?」
「ラーメンマンのキンケシ」
ラーメンマンというのは、そのころ子どもに人気があったアニメの登場人物。キンケシとはその番組のキャラクターの小さな消しゴム人形のこと。
子どもにとっては、お母さんのいちばん大事な宝石と、自分のいちばん大事な消しゴム人形は同じ価値だったんです。ただし、その消しゴム人形では女の子は喜ばないと思ったのでしょう。
子どもっぽい行動だけど、いちばん大事なものをあげたくなる人がいるなんて、息子を見直しました。
ついこのあいだまで、タオルのはじっこをしゃぶってないと寝られなかったのに、「火の用心」の声をこわがって、私のふとんにもぐりこんできたのに、もう「お母さんがいちばん」ではないんです。ちょっと嬉しいけど、ちょっとさびしい気分。
本当にいちばん大事なものを大事な人とプレゼントしあうような、素敵な大人になってほしいと願っています。
ピーマン作戦
にんじんやピーマンが嫌いな子どもは多いようです。うちの息子たちもそうでした。
「からだにいいんだから、食べなきゃだめ!」としかりたいところですが、そういうやり方では、どうやらよけいに嫌いになりそうです。うっかりするとにんじんやピーマンだけでなく、ご飯のときにうるさく言う母親まで嫌いになっちゃうかもしれません。
それで私は別の手を考えました。ほめる作戦です。幼稚園のお弁当に豆つぶほどのピーマンを少し入れて、先生に「今日、お弁当にピーマンを入れましたから、食べたらほめてやってください」と電話します。先生も協力してくれました。
「先生にほめられたよ」と息子が報告すると、「えっ! すごーい。先生にほめられたんだって。お父さん、お父さんもほめてやってよ!」と私は大さわぎ。
ほめられれば、明日もがんばって食べようとするでしょう。次の日のお弁当は、ひとまわり大きなピーマンを。こうして息子たちをピーマン好きにさせました。
大人の私だって、「おいしい」と言われたら張り合いがでて、もっとおいしいものを作ろうと思うのですから。
息子はずっと、絵が好き
夫はイラストレーターですが、子どもたちが絵を描くと、「ここはこうしたほうがいいよ」なんて教えないで、ただ、ほめるだけ。大人の描き方を覚えたら、子どもの絵はつまらなくなる、と言います。

「ここはこうしたほうがいいよ」なんて教えないで、ただほめるだけ。大人の描き方を覚えたら、子どもの絵はつまらなくなる、と夫は言います(写真はイメージ。写真提供:写真AC)
長男が小学校低学年のとき、「はたらくおとな」という展覧会のために描いた絵は、飾ってもらえませんでした。
飾られていたのは、お母さんがミシンを使っていたり、お父さんがショベルカーを運転したりしている絵でした。息子はゴジラを描いたので、ふざけてると先生に思われたのでしょう。
ゴジラを描いたわけを息子にきいたら「ゴジラの着ぐるみの中の人は、暑くて汗くさくて重たいよね」と。
その絵を持って帰ってきた息子に、夫は「うまいなあ、色がすごくきれいだ。学校で飾ってくれないんだったら、うちに飾ろう」と言って、自分が昔もらった賞状をはずして、その額にゴジラの絵を入れました。
今でもその絵はわが家の壁にかかっています。息子はずっと、絵が好きです。
レミ流ピーマンレシピ
ピーマンは加熱しても、油炒めしても栄養は変わらないし、生独特の香りと苦みがなくなって、甘みが出て食べやすくなりますよ。おにぎりの中に、どんぶりに。ご飯との相性抜群です。
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●ピーマンの金山寺味噌
*材料
ピーマン3個 ごま油小さじ2 (A){塩少々 水適量}牛こま切れ50g 金山寺味噌大さじ1
*作り方
(1)ピーマンは細切りにして、ごま油で炒め、(A)を加え蓋をして、クタッとするまで蒸し焼きにする。
(2)(1)を別の器に移して牛肉を炒めたら、ピーマンを戻して金山寺味噌で和える。
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●ピーマン焼きそば
*材料
サラダ油大さじ1 豚バラ薄切り50g (A){ピーマン細切り2個 キャベツ細切り大1枚 玉ねぎくし形切り1/2個}蒸し焼きそば麺1玉 (B){薄口しょうゆ、酒各小さじ2}
*作り方
(1)フライパンにサラダ油を熱し、豚肉を炒め、(A)を加えてさらに炒める。
(2)(1)に麺を入れ、炒めて(B)で味つけし、お好みでこしょうと酢(材料外)をかける。
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●ピーマンのポタージュ
*材料
ピーマン5個(180g) じゃが芋100g 鶏ガラスープ1カップ (A){牛乳1カップ 塩、こしょう各少々}
*作り方
(1)ピーマン、じゃが芋は超薄切りにする。
(2)なべに(1)と鶏ガラスープを入れ、軟らかく煮る。
(3)(2)をミキサーに入れ、なめらかになったらなべに戻し、(A)を加えて煮立たせ、器に盛る。
※本稿は、『おいしい子育て』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。
