「暖房」をつけると頭がぼーっとしてしまうので、今年から「石油ストーブ」に切り替えようと思っています。「電気」と「灯油」はどちらが安いのでしょうか?
エアコンの暖房運転と石油ストーブの違いとは?
まず、エアコンと石油ストーブの仕組みと特徴を見ていきましょう。エアコンは電気を使って空気を循環させ、部屋全体を素早く暖められるのが特徴です。リモコンで温度管理ができるので、広い空間にも適しています。
ただし、長時間使うと電気代が高くなりやすく、空気の乾燥によって「頭がぼーっとする」と感じる方もいます。
一方、石油ストーブは灯油を燃やして直接部屋を暖めるため、つけた瞬間から暖かさを感じやすく、足元や周囲を効率よく暖めます。また、火を使うので停電時にも利用可能です。
暖房費用はどちらが安い? エアコンの電気代と石油ストーブの灯油代を比較
では、エアコン暖房と石油ストーブのコストを比較してみましょう。具体的な費用は、暖房の使用時間や灯油の価格によって変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。
エアコン暖房(1000Wの場合)
エアコンの電気代は、全国家庭電気製品公正取引協議会の「電力料金目安単価」である1kWhあたり31円をもとに計算すると、1000Wの暖房運転を1時間使用した場合、電気代は約31円です。1日8時間使うと、1日あたり約248円、1ヶ月(30日間)で約7440円の電気代がかかります。
石油ストーブ(1時間で約0.22Lの灯油を消費する場合)
石油ストーブの燃費は、経済産業省資源エネルギー庁の「給油所小売価格調査」(2023年10月28日時点)のデータに基づき、灯油代を1Lあたり117.3円として計算すると、「3.7L(タンク容量)÷17時間(燃焼継続時間)×117.3円」で1時間あたりの灯油代は約25.5円です。1日8時間使うと、1日の灯油代は約204円、1ヶ月(30日間)で約6127円かかります。
石油ストーブは、他の暖房器具と比べてコストを抑えやすい傾向にありますが、灯油価格は変動しやすいため、節約効果も時期によって異なる点に注意が必要です。また、エアコンに比べて直接的な暖かさを感じやすいため、短時間の使用でも十分に暖房効果が得られるのも特徴です。
メリットとデメリット
エアコンと石油ストーブには、それぞれ異なる特徴があり、使い方に応じてメリット・デメリットがあります。具体的にどのような点が便利で、どのような点に注意が必要なのかを表1
【表1】エアコンと石油ストーブの比較表
長時間使用に適している
季節を問わず利用できる
暖房・冷房・除湿など多機能
やけどや火事のリスクが少ない
消費電力よりも暖房能力が高く、熱効率が良い 初期費用が割高
部屋全体が暖まるまで時間がかかる
起動時の電力消費量が多い
送風による乾燥やほこりがある
定期的な掃除が必要 石油ストーブ 即暖性に優れている
必要な場所に移動させて使用できる
狭い部屋なら全体を暖められる 乾燥しやすい
連続使用に適していない
広い部屋を暖めるのには不向き
暖房費が灯油価格に左右される
エアコンと石油ストーブには、それぞれ異なる利点と注意点があります。エアコンは長時間使用に向いており、リモコン操作で簡単に温度管理ができるため手軽です。一方で、部屋が乾燥しやすく電気代がかさみやすい点には注意が必要です。
石油ストーブは即暖性があり、停電時でも使用できるため災害時の備えとしても役立ちますが、灯油の補充や換気が欠かせません。また、広い部屋を暖める場合はエアコンの方が適していることもあります。
自分に合った暖房器具で冬を快適に
エアコンと石油ストーブには、それぞれ異なる特徴があるため、用途に応じた使い分けが大切です。エアコンは手軽に温度管理ができ便利ですが、長時間使用すると電気代がかかりやすいため、コストを抑えたい方には石油ストーブもおすすめです。
石油ストーブは乾燥しにくく、短時間で暖かさを感じられるので、体調面が気になる方には特に良い選択肢になるでしょう。
今年の冬は、ご自身のライフスタイルや住環境に合わせて、最適な暖房器具を選び、暖かく快適に過ごしましょう。
出典
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
株式会社 菜花空調 みんなの設備屋さん 石油ストーブとエアコンだと暖房代はどっちが安い?コスパと暖まり方を比較!
経済産業省資源エネルギー庁 給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー