オリ・吉田輝星 来季も救援起用継続 新球“カットファースト”で勝ちパターン食い込む「得意球に…」
オリックス・吉田輝星投手(23)が“カットファースト”習得で、勝ちパターンに食い込む。既に首脳陣からは来季も救援起用の継続を告げられており、今季投球割合が1・2%だったカットボールでの左打者封じを思い描いた。
「左のインハイあたりに、ホップ成分を殺さず投げられる球があったら、すごく強いなと。ファストボールの派生形で、シュートの(変化方向が)反対側みたいなイメージ」
今季は自身2度目の50登板に到達した一方、右打者へのワンポイント起用が目立ち、イニング数は登板数を下回る40回2/3だった。「毎回ノブさん(左腕・山田)に“お願いします”みたいな感じも本当によくない。来年は1イニングしっかり自分が投げきれるようにやりたいと、シーズン中も思いましたね」。対左打者対策へ、今季手応えをつかんだ右打者の内角へのシュートから着想を得た。
「(対右打者はシュートで)気持ちよくスイングさせないパターンが多かった。自分では真ん中に行ったかなと思っても差し込まれたファウルとか、セカンドゴロとかあったので。あと、僕はあまりスライダー得意じゃないですけど、スライダーでも空振りが取れたりしたのは結構(反対変化の)シュートの恩恵がでかいと思っているんで。左打者だったら、カットボールで差し込んだ後のチェンジアップにもつながってくると思う。いろんな組み合わせを…って感じです」
辞任することを知らない時期だったという中嶋前監督との最後の会話でも、カットボールの話題が飛び出していた。「来年の話をしたときに、“カットボールはお前は絶対に投げられるから”って話もされたので。投げ方的には100%投げられる球とシーズン中も言われていた。得意球になる可能性があるので、チャレンジしてみたい」。恩師の“お墨付き”も胸に、投球の幅を広げるチャレンジに臨む。
シーズン最終盤に負った右肘の疲労骨折からの回復も順調で、この日は大阪・舞洲の球団施設で40メートルの距離でキャッチボール。12月中にはブルペン投球を再開できる見通しで、「順調かなと思います」と明るい表情を浮かべた。移籍1年目は先発、中継ぎ両にらみだったシーズン前の調整から、来季は救援一本での勝負が待つ。「今年最後の方はいい場面で投げられたので、来年は頭から自分の地位を確立して勝ちパターンで投げられるように。個人目標もそれ一個しかないし、やることは明確なので」。激しいチーム内競争が待つ25年シーズンへ、腕をぶした。
(阪井 日向)