対局を終えて盤面を見つめる西山朋佳女流三冠

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 女性初の棋士を目指す将棋の西山朋佳女流三冠(29=白玲、女王、女流王将の三冠)が8日、大阪市内でプロ棋士編入試験5番勝負の第3局へ臨み、上野裕寿四段(21)に敗れ、成績を1勝2敗とした。プロ棋士編入には残り2戦全勝が条件となる。第4局は12月実施予定で、高槻市へ移転する新たな関西将棋会館にて宮嶋健太四段(25)と対戦する。

 対局が進むにつれて、前のめりに盤面をのぞき込むような姿勢に変わっていった西山。持ち時間ギリギリまで粘り、一息ついた後、深々と頭を下げて投了の意志を告げた。

 中盤まで昨年第54期新人王戦を制した実力者・上野と互角に渡り合ったものの、勝利には至らず。終局後は落ち着いた表情で「少し差が開く展開になったかと思います」と振り返った。

 今回の編入試験は女流タイトル戦などと並行した日程の中で行われているが、今回「実戦ではあまり指していない」四間飛車の戦型を採用。新たな挑戦に「準備していた期間は充実していたと思います。驚いてもらえたと思ったんですけど」と、胸を張った。敗戦で崖っぷちに追い込まれたものの「新しいことを試して結構充実感は得ましたので、次回も課題を持って挑めればいいなと思います」と、語った。

 編入試験は月1回、棋士番号の大きな順の5人を相手に行われ、3勝を挙げれば合格。女性の受験は2022年の福間(旧姓・里見)香奈女流5冠以来、2人目。対局は1カ月に1局のペースで行われる。