72歳→66歳→72歳…「公明党」新代表に「斉藤鉄夫」国交相を選出で露呈した深刻すぎる“人材不足”
公明党の石井啓一代表(66)が衆院選での自身の落選を受け辞任を表明。後任は斉藤鉄夫国土交通相(72)に内定したという。党の若返りを図るため石井氏に代表に託した前代表の山口那津男氏(72)と同い歳である。
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【写真をみる】いつも“仏頂面”なのに… 公明党・石井代表の「天使のような子ども時代」が意外すぎる!
山口氏は9月4日の定例会見で次の党代表選に立候補しない理由をこう語っていた。
「齢70を超えた私としては、やはり次の世代にバトンを譲るべきであると決断したわけであります」
デイリー新潮は9月13日配信の「『自民党総裁選』大乱立なのに『公明党代表選』出馬は1人…『池田名誉会長』没後初の代表選に見る『公明党』衰退」で、これまで公明党で代表選が行われたことは事実上なく、新代表に石井氏が就任するものの衆院選では落選の可能性が高いと報じた。
実際、石井新代表はあっさりと誕生したが、10月27日の衆院選で落選。公明党は“常勝”のはずだった大阪の4選挙区でも敗れ、議席数は公示前の32から24まで減らした。そこで後任の代表に選ばれるというのが斉藤氏である。公明党関係者は言う。
「消去法でいっても、他にいないでしょう」
1952年に島根県に生まれ、広島県広島市で育った斉藤氏は、広島藩校を起源に持つ名門・修道高校を卒業し、東京工業大学に進学。同大学院理工学研究科の修士課程を修了し、清水建設に入社した。
温厚で低姿勢
「大学では宇宙工学を学んだそうですが、当時の建設会社は宇宙工学など必要としないわけです。そのため実際の仕事は苦情係だったと聞いたことがあります。1993年の衆院選に旧広島1区から出馬して初当選し、以来、比例中国ブロックや広島3区で11期連続の当選を果たしていますが、奢らず温厚な性格です。苦情係だったためか低姿勢で、党や支持母体・創価学会の幹部からの覚えもめでたい。何より優しそうな見た目ですから、選挙応援の実働部隊である学会の女性部からの人気も高いんです。あるご婦人などは『お母様、そのマフラーは素敵ですね』なんて言われて、彼の大ファンになったほどです」
仏頂面の石井氏が女性部から人気がなかったのとは大きな差だ。もっとも、若返りはどうなったのだろう。
「そんなことを言っている場合ではありません。確かに党の内規には、任期中に69歳を超えないこと、次の任期中に在職24年を超えないことが議員の定年として定められていますが、余人をもって替えがたいと判断されれば例外として認められますし、本気で年齢を気にしているわけではありませんから」
すでに斉藤氏は7日の中央幹事会で新代表として推薦され、9日の臨時党大会で正式に決定する。もっとも、斉藤氏を推薦した中央幹事会の20名のうち3名 が先の衆院選で落選した。
後継者不足が露呈
「衆議院議員が8名も減ったのですから無理もない。そもそも代表選挙すら事実上は行われたことがないのですから、中央幹事会の後任だって推して知るべし。来年の参院選で落選する議員を選ばないよう、今回の衆院選で当選した議員が新任されることになるかもしれません」
斉藤氏が党代表になった場合は大臣を兼任することができない。そのため公明党は、すでに国交相の後任として衆議院議員の中野洋昌氏(46)を推薦。石破茂首相もその方向で調整に入ったという。
「公明党からは大臣以外にも副大臣や政務官などを出しています。中野氏も元経産大臣政務官です。少なくなった議員の中から官職や党役員を選ばなければならないので頭を悩ませることになると思います」
それもこれも党勢が衰えたために他ならない。
「今回の衆院選で比例区の総得票数は約596万票となり、前回の衆院選(2021年10月)の約711万票から115万票も減りましたからね」
斉藤新代表となって党勢は盛り返せるのだろうか。
「斉藤さんが代表になるのは現時点では適役だと思いますが、石井さんよりマシという程度。山口さんのように失言なくうまくできるかとなると疑問は残る。政治力は山口さんほどではありませんから。何より党代表が70代に逆行し、後継者が育っていないことが露呈したわけですから、党勢を盛り返すことは難しいと思います」
デイリー新潮編集部