青学大が痛恨逆転負け3位 原監督も「まさか」の転落 最大1分27秒差守れず エース太田が激走首位死守もアンカー勝負で暗転
「全日本大学駅伝」(3日、熱田神宮〜伊勢神宮=8区間106・8キロ)
大学三大駅伝の第2戦が行われ、6年ぶり3度目の優勝を狙った青学大は、出雲駅伝覇者の国学院大との終盤の争いに敗れ3位に終わった。前半4区終了時点では2位以下に1分以上の差をつけて独走状態を築いたが、後半勝負を仕掛けてきた国学院大に逆転を許した。最終8区では猛追をみせた駒大にも抜かれ、3位だった出雲駅伝に続いて3位。無冠のまま連覇の懸かる来年1月の箱根駅伝を迎える。国学院大は全日本初優勝で出雲に続く2冠を達成。来年1月の箱根駅伝で史上6校目の3冠を狙う。
青学大は大混戦の1区を4位につけると、2区では鶴川正也(4年)が創価大の吉田響(4年)とのし烈なデッドヒートを制し、1秒差で区間賞を獲得した。3区で起用されたルーキー折田壮太(1年)は落ち着いた走りで区間5位のタイムをマークし、突き放すと、4区のエース格の黒田朝日(3年)が33分3秒で従来の記録を13秒更新する圧巻の区間新記録をマークし突き放した。
ただ、5区で田中悠登(4年)が首位は守ったが、やや苦しい走りに。出雲駅伝4区でも区間賞をマークしている国学院大の野中恒亨(2年)が圧巻の走りをみせて、青学大を猛追。1分27秒あった差を41秒まで詰められた。さらに6区で4秒差まで詰められたが、7区は太田蒼生(4年)が国学院大のエース、平林清澄(4年)との壮絶なデッドヒートで、4秒差を死守した。しかし、8区で塩出翔太(3年)が国学院大・上原琉翔(3年)とのアンカー勝負で中盤から突き放されて屈した。終盤には猛追してきた駒大・山川拓馬(3年)の激走の前に順位を3位に落とした。
原晋監督は試合前、同校のマスコットキャラクター「イーゴ」に合わせた「イーゴ大作戦」を掲げていたが、作戦名通りの“いいゴール”とはならなかった。無冠のまま、連覇の懸かる来年1月の箱根駅伝でのリベンジを狙う。
レース後、指揮官は「出雲駅伝は勝ったと思った場面は一箇所もなかった。今回は2箇所あったので、少しずつ距離が伸びたらよくはなってるなと。(2区)鶴川と(4区)黒田のタイミングで勝てるチャンスあるなと。出雲よりは力強さが出てきた」とさばさばと振り返った。
駒大のアンカー、山川の猛追により、最終8区で3位まで落ちたことには「まさか塩出が最後3番まで落ちるとか思わなかったが、その悔しさを箱根にぶつけてほしい」と振り返り、山川については「びっくりですね。あれはすごいっすね。あんなに力がある子だったのかと。彼も去年駒沢の箱根の悔しさを味わった1人。アスリートは挫折から踏み出す飛躍はあるんだと」と、目を見張った。
連覇のかかる箱根に向けて「十分チャンスはあるし、1強ではないなと。駒沢、国学院、青山学院が終盤までもつれる。今までのようなピクニックランで勝つんじゃなく、復路の8、9、10までしのぎを削りながらの箱根駅伝になるのかなと。箱根に繋がるレースはしたかなと思う」と、前を向いた。