<為替> ニューヨーク外為市場では、円が対ドルで3カ月ぶりの安値を記録した。27日に投開票された衆議院選挙の結果が円の弱材料となった。

ドル/円は一時1%高の153.88円を付けた。これは7月下旬以来の円安水準となる。終盤は0.7%高の153.34円となった。

円の10月の下落率は6.4%と、G10通貨の中で最大となった。

為替情報サイトForexLiveのチーフ為替アナリスト、アダム・ボタン氏は「今年に入ってから円は主要通貨の中で最も変動の激しい通貨であり、今回の衆院選の結果は今後の金融政策や財政政策に関する不確実性をさらに高めることになった。自民党総裁選が急激な変動を引き起こしたことは投資家の記憶に新しい」と指摘した。

27日投開票の衆院選で、与党は公示前勢力を大幅に減らして15年ぶりの過半数割れとなり、大敗を喫した。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では国債利回りが上昇し、2年債から30年債に至るまでほぼ全ての年限で3カ月ぶりの高水準を付けた。

今週の主要ハイテク企業決算を前に株価が上昇したことでリスク選好姿勢が強まった。この日実施された債券の入札結果が低調だったことも、需要低迷を浮き彫りにした。

午後の取引で、指標となる10年債利回りは4.4ベーシスポイント(bp)上昇し4.274%となった。一時、7月11日以来の高水準となる4.3%を付けた。

30年債利回りも大幅に上昇し、7月初旬以来の高水準となる4.555%に達する場面があった。終盤は2.4bp上昇の4.524%だった。

5年債利回りも3カ月ぶりの高水準を付け、終盤は5.3bp上昇の4.105%となった。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式>  米国株式市場は上昇して取引を終えた。今週は大手企業の決算が相次いで発表されるほか、来週11月5日の大統領選挙の最終局面を迎える。

イスラエルがイランに対する報復攻撃で石油や核関連施設を標的としなかったことを受け、原油供給への懸念が和らぎ、地合い改善につながった。

S&P総合500種採用企業のうち約169社が週内に決算を発表する。市場の上昇をけん引してきた超大型7銘柄(マグニフィセント・セブン)のうち、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、アップルなども今週の発表を控え、株価が上昇した。

投資家はハイテク企業の決算で人工知能(AI)関連支出のガイダンスに注目するだろう。

ウェルズ・ファーゴ投資研究所のグローバル投資戦略責任者、ポール・クリストファー氏は「決算では企業が来年どのような設備投資プログラムを実施するかについて示すガイダンスが重要となる」と指摘した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、新規材料待ちの中、利益確定一服後に買い戻しが入り、3営業日続伸した。

市場では、中東やウクライナの情勢が地政学リスクとして意識されている。イスラエル軍は26日、イランによる今月1日のミサイル攻撃の報復として、イランに「精密攻撃」を加えたと発表。ただ、攻撃は軍事施設を標的とする限定的および短期的なものと見なされ、情勢悪化への過度の警戒感が後退した。この日は安全資産としての金需要に一服感が広がり、朝方は利益確定の売りやポジション調整の売りが先行。売り一巡後は旺盛な買い戻しが入り、プラス圏を回復した。

今週は、米民間雇用サービス会社ADPの全米雇用報告、米個人消費支出(PCE)物価指数に加え、米国内総生産(GDP)や米雇用統計など重要指標の発表が目白押し。足元の労働情勢やインフレ動向を見極めたいとの思惑も強かった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、急反落した。イスラエルによる対イラン報復攻撃が軍事関連施設に限られたとの報を受け、手じまい売りが殺到。米国産標準油種WTI12月物の清算値(終値に相当)は、前週末比4.40ドル(6.13%)安の1バレル=67.38ドルと、中心限月ベースでは9月中旬以来約1カ月半ぶりの安値に沈んだ。

イスラエル軍は26日、今月1日に受けた大規模ミサイル攻撃への報復として、イラン国内に波状攻撃を仕掛けた。ただ、米国などの強い要請を踏まえて核開発や石油関連施設を標的から外し、弾道ミサイル製造や防空システムなど軍事関連の拠点に絞るなど、抑制的な対応にとどめた形。イラン側も「被害は限定的だった」との見方を示し、ひとまず最悪の事態は避けられたとの見方が広がった。

この報を受け、市場では周辺地域への紛争拡大や石油供給の混乱を警戒した買い持ちの解消が進行。相場は週末の時間外取引で急落し、28日朝方には一時66ドル台で取引された。

売り一巡後は、67ドル台で小動き。パレスチナ自治区ガザを巡る停戦交渉の先行きがなお見通せないほか1週間後には米大統領選が迫っているとあって、一段の下げに慎重なムードが広がった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 153.28/153.30    

始値 152.52    

高値 153.37      

安値 152.42      

ユーロ/ドル NY終値 1.0812/1.0813    

始値 1.0816    

高値 1.0827      

安値 1.0811      

         

  米東部時間      

30年債(指標銘柄) 17時05分 95*13.00 4.5322%

  前営業日終値 95*29.50 4.4990%  

10年債(指標銘柄) 17時05分 96*24.50 4.2821%

  前営業日終値 97*05.00 4.2320%  

5年債(指標銘柄) 17時05分 97*09.25 4.1137%

  前営業日終値 97*17.75 4.0520%  

2年債(指標銘柄) 17時05分 98*26.75 4.1355%

  前営業日終値 98*28.88 4.0980%  

         

   終値 前日比 %  

ダウ工業株30種 42387.57 +273.17 +0.65

 前営業日終値 42114.40      

ナスダック総合 18567.19 +48.58 +0.26

 前営業日終値 18518.61      

S&P総合500種 5823.52 +15.40 +0.27

 前営業日終値 5808.12      

         

COMEX金 12月限 2755.9 +1.3  

前営業日終値 2754.6      

COMEX銀 12月限 3400.1 +22.2  

前営業日終値 3377.9       

北海ブレント 12月限 71.42 ‐4.63  

前営業日終値 76.05      

米WTI先物 12月限 67.38 ‐4.40  

前営業日終値 71.78      

CRB商品指数 277.7066 ‐6.9707  

前営業日終値 284.6773