◆米大リーグ ワールドシリーズ第1戦 ドジャース―ヤンキース(25日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が25日(日本時間26日)、ワールドシリーズ第1戦の本拠地・ヤンキース戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、1点を追う8回1死走者なしのの4打席目に3番手右腕・ケンリーから、右翼フェンス直撃の二塁打を放ち、シリーズ初安打をマークした。相手守備の乱れをついて三塁まで進塁。1点を追う場面での長打とあって、三塁ベンチへ向けて大谷は両手を挙げて絶叫した。すると続くベッツの中犠飛で追いついた。

 圧巻の当たりだった。1点を追う8回1死走者なしの4打席目。3番手右腕・ケンリーの甘く入ったチェンジアップを振り抜くと、打球速度113・9マイル(約183・3キロ)、飛距離378フィート(約115メートル)という当たりはあとひと伸びでフェンスを越えていたフェンス直撃の二塁打。二塁塁上で一度は「カモーン!」と叫んでいたが、相手守備が乱れているのに気づくと、一気に三塁へ進んだ。三塁では再び絶叫し、両手を挙げて三塁ベンチのナインを鼓舞した。

 ヤンキースの先発は昨季のサイ・ヤング賞右腕ゲリット・コール投手(34)。22年に本塁打を打ったが、過去の対戦成績は20打数4安打の打率2割だった。決して相性はよくなかった。初回先頭の1打席目は、初球をはじき返した大飛球もあとひと伸び足りず中飛。2打席目は空振り三振を喫し、1点を追う6回無死二塁の好機でも遊ゴロに倒れていた。それでも8回の4打席目に3番手右腕・ケンリーからあとひと伸びで本塁打かという当たりを放って見せた。ワールドシリーズで日本人選手が安打を放つのは、14年のロイヤルズ・青木以来10年ぶり。ワールドシリーズのデビュー戦で日本人が安打を放つのも、02年新庄(ジャイアンツ)、03年松井秀(ヤンキース)、04年田口(カージナルス)、07年松井稼(ロッキーズ)、07年松坂(レッドソックス)、08年岩村(レイズ)に次ぎ7人目となった。

 パドレスとの地区シリーズ、メッツとのリーグ優勝決定シリーズでは全11試合に「1番・指名打者」でフル出場。42打数12安打の打率2割8分6厘、3本塁打、10打点でチームの4年ぶりのワールドシリーズ進出に大きく貢献していた。前日24日(同25日)には自身初の大舞台へ「いよいよ始まるなという感じ。興奮しているところです。今までは見る側だったので、楽しみにしていましたし、悔しい思いをしていた。今年は自分がプレーできる喜びをフィールドで出せたらいいなと思います」と心を躍らせていた。

 今季は54本塁打、130打点で2冠王に輝き、打率3割1分、59盗塁もリーグ2位だった大谷。史上6人目の「40―40」(40本塁打&40盗塁)を達成しただけでなく、史上初の「50―50」をクリアし、「54―59」まで数字を伸ばし、日本人初のトリプルスリー(3割、30本塁打、30盗塁)も記録した。ヤンキースの主砲・ジャッジも58本塁打、144打点で2冠王に輝き、打率3割2分2厘をマーク。ドジャースとヤンキースの43年ぶりの人気球団対決で「大谷VSジャッジ」の対決にも注目が集まっている。