「汚された…」鬼滅の刃の“聖地”で屋根の銅板1630枚剥ぎ取られ盗まれる…復元には1000万円以上か 栃木・厳島神社

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人気作品「鬼滅の刃」の聖地として知られる天然記念物内の神社で銅板窃盗が起きていました。

事件が起きたのは栃木・足利市。
国指定の天然記念物・名草の巨石群のエリア内にある厳島神社です。

この神社の近くには、中央から2つに分かれた大きな石があり、この石が「鬼滅の刃」の主人公・竈門炭治郎が剣の修業をした岩に似ていることから、ファンの間で聖地とされているといいます。

厳島神社の社殿を写した写真には、緑の木々の中にたたずむ神社が写っています。
しかし、よく見てみると屋根の一部はめくれ上がり、本来、隠れているはずの木の部分がむき出しになっています。
さらに、別の写真では屋根がボロボロに…。

神社の無残な姿にファンからは「(聖地を)汚されたというのは、ちょっと悲しい気持ちになります。みんなで大事にすべきものを取ったりするのは許してはいけない。『鬼滅』を見てきた人としてよくない」といった怒りの声が聞かれました。

現場は、JR足利駅から北に10kmほど離れた山の中にある神社です。

「イット!」が現地に向かってみると…。

人けのない参道を登ること約20分。
鬼滅の刃」の聖地とされる大きな石がありました。

現在、社殿の屋根は雨から守るためシートで覆われています。

地面に横たわっている建造物の一部を見てみると、上2段の銅板がはがれていて、木がむき出しになっていました。

足利市によりますと、10月3日、屋根から銅板がなくなっているのを観光客が発見。

10月4日、警察や市が確認したところ、縦15cm・横56cmの銅板1630枚余りが屋根からはぎ取られていたということです。
その被害額は約65万円相当になるといいます。

最後に社殿が確認されたのは9月16日。
この時、異常は見られなかったといいます。

地元有数の観光地での窃盗事件に市の職員も憤りをあらわにしました。

足利市名草公民館・為谷弘幸館長:
全国的に銅板の盗難被害が起きている中で、とうとう名草の地元で愛されている厳島神社の屋根の銅板が盗難にあったということで、非常に憤りを感じております。

更に、修復には莫大な労力がかかるといいます。

足利市名草公民館・為谷弘幸館長:
物が戻ってくればなんとかなるというものじゃない。それをちゃんと施工して屋根の形を作らなくちゃいけないので、被害額として出されている金額では全然改修にかかるお金とはかけ離れていて、元通りに復元するとなると1000万円以上はかかるかもしれない…。

神社側は、すでに警察に被害届を提出しており、今後の対策については検討中だとしています。