RKC高知放送

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衆議院選挙の候補者たちは選挙活動の中で有権者に何を訴えているのか。高知1区と高知2区の候補者の戦いぶりをお伝えします。

高知1区に立候補しているのは、届け出順に自民党の前議員・中谷元氏(67歳)、立憲民主党の元議員・武内則男氏(66歳)の2人です。

衆議院議員を11期務め、3度目の防衛大臣に就任した自民党の中谷さんは、選挙期間中は公務で高知に帰れないため、陣営として本人不在の異例の選挙戦を展開しています。10月20日の個人演説会では本人がビデオメッセージを寄せ、安全保障政策の必要性を強調しました。

■中谷氏
「日本を取り巻く安全保障環境は大変厳しくなっており、中国の監視船の領海侵入や台湾での威嚇行為、北朝鮮のミサイル発射など東アジア情勢も不安定になっています。今やらなければいつやるのか、世界が変わる中でそれに対応するスピードを加速させるためにも、ぜひともこの選挙戦を勝ち抜かせてください。私達が困っている人を助け、正しい世の中を作り、豊かな地方、明るい未来を作ってまいります。」

選挙期間中は防衛大臣として、G7とNATOの国際会議に出席した中谷さん。ウクライナやパレスチナで起きている戦争は日本の食料や経済に影響を及ぼしているとし、世界の各国と連携し安全保障環境の改善に取り組む必要があると訴えました。

一方で、陣営は中谷さん不在の中でも連日、選挙カーを走らせて支持拡大を訴えています。この日は香南市で県選出の梶原大介参議院議員が街頭に立って中谷さんの実績などを披露し、支援を呼びかけました。

旧派閥の裏金問題で自民党にとっては厳しい逆風にさらされている今回の選挙ですが、中谷さんは専門でもある安全保障関連政策の実現に向け12期目を目指します。


参議院議員を1期、衆議院議員を1期務めた立憲民主党の武内さん。今回の選挙戦では自身の政策は笑顔で訴えたいとする一方で、選挙の発端となった自民党の「政治とカネの問題」には怒りをもって批判したいと話します。

■武内氏
「いまの自民党政権、ここに対して有権者の皆さんがちゃんと怒りをもって、変えるんだという勇気を持って、投票に行っていただきたい。そのことを訴える、そして、訴えた上でまっとうな政治に変えていく、その戦 いと位置付けています。」

三原村で生まれ農業を営む家庭で育った武内さん。芸西村での街頭演説では1次産業を国の根幹と位置づけ、農業・林業・漁業の分野で働く人の所得を補償する制度を整備することで産業を支えていきたいと訴えました。

■武内氏
「この地域の経済をちゃんと回すことがこれからの人口減少対策には必要です。その最も重要な政策の一つはこの国の根幹を支えてきた農業・漁業・林業といった第1次産業です。」

また、いまの政権は大企業や大株主に向けた政策を中心に行っていて、都市と地方の格差を拡大していると批判。1次産業の支援に合わせて医療・介護など社会保障分野でも働く人たちの処遇を改善することで雇用が生まれるとして、住み続けることが出来る地域社会を実現したいと力をこめます。

■武内氏
「この地域で雇用が生まれれば、これまでのような人、モノ、カネを都市部に流すのではなくて、この高知で生まれ、育ち、学び、暮らし続けられる地域を作っていくことが出来ます。」

自民党の金権腐敗政治をまっとうな政治に変え、暮らし続けられる高知にしたい。政治とカネの問題への怒りと故郷への思いを胸に武内さんは選挙戦を駆け抜けます。


高知2区に立候補しているのは、届け出順に共産党の新人・浜川百合子氏(45歳)、自民党の前議員・尾粼正直氏(57歳)の2人です。

3度目の国政挑戦となる共産党の浜川さん。これまでの政治が地方の暮らしを壊し続けてきたとし、暮らしを立て直す減税や働く人の支援を訴えます。

■浜川氏
「高知の経済の土台は99.9パーセントの中小・零細企業と農林漁業です。政治の責任でガソリン代の引き下げ・消費税の減税を。中小業者・農林漁業者への支援を強めてまいります。」

2人の子供を育てる母親でもある浜川さん。自衛隊とアメリカ軍の一体化やミサイル防衛の整備を「軍事国家への道を突き進んでいる」と批判し、次の世代を担う子どもたちのために予算の使い道を、改めるべきだと力を込めます。

■浜川氏
「教育予算の2倍。農林水産予算の3.5倍もの防衛予算8.5兆円など軍事大国の道を今突き進もうとしています。ミサイルよりも教育に予算を。子どもにもっとも良い事を選び取る政治が必要です。」

選挙期間中に誕生日を迎えた浜川さん。支えてくれるスタッフや応援してくれる人の声が背中を押してくれています。地域を回る中で感じるのは、一人ひとりが町を支え、守っているという現実。ここで暮らし続けたいという思いが政治を変えると訴えます。

■浜川氏
「暮らしの中にこそ政治があるっていう事を皆さんからも教えていただいたし、私たちの手で政治って変えられるよと。政治を変える主役は私たち市民1人1人だよっていうことを訴え続けたいなという事で頑張りたいと思います。」

自民党の派閥による裏金問題は共産党の機関紙のスクープでした。政治の闇を明るみに出し、これまでの政治で苦しい生活をしている人々の声に寄り添う。浜川さんは新しい政治の実現に向け走り続けます。


自民党の尾粼さんは高知県知事を3期務めた後、前回の衆議院選挙で初当選。その後、デジタル大臣政務官、国土交通大臣政務官など着実にキャリアを重ねる中で改めて日本の経済力の回復の重要性を痛感したと話します。デジタルやグリーンなど先進的な分野を含め様々な分野の制度や施策を実効性のあるものにするためにも、強い経済力の必要性を訴えます。

■尾粼氏
「これから社会保障、高齢者の皆様も多い、その暮らしを守っていくためにも少子化のためにも社会保障は充実をしていかなければなりません。防災にも安全保障にも大変なお金がかかるでしょう。であればこそ、これらをまかない得るに足るだけの強い経済を作り上げていかなければならない。」

さらに、石破総理が重要政策の一つに掲げる地方創生については、何としてもやり抜くと意気込んでいます。

■尾粼氏
「知事時代にがんばった地方創生の取り組みを今度は国レベルで展開できますように、高知ではどうすればうまくいくのかということを僕はそれなりに知っているつもり。このことを国の人に伝えて行くことでもって地方で具体的にうまくいく地方創生政策が実現できるようにがんばらせていただきたいとそういう思いでございます。」

選挙期間の3分の1を高知市にあて、街頭や個人演説会で経済の活性化への思いを有権者に訴えかける尾粼さん。政治とカネの問題で党に逆風が吹く選挙戦ですが、これまでの政権の流れを止めてはならないと呼びかけます。

■尾粼氏
「極めて厳しい安全保障環境の中で今の自公政権、政権交代をするわけにはいかない。さらにせっかく新しい産業政策も打ち出し、地方創生政策も打ち出して行こうとしてるところです。この流れをぜひ継続させていただきたい。そういう思いです。そういう中で私としてもぜひ国会議員として仕事をさしていただきたい。このことをお願いをしていきたいと思います。」

豊かで安全な日本を子どもたちに残せるのか。この先も、先進国であり続けられるのか。有権者を前に、将来への危機感を語る尾粼さん。 12年間の知事の経験と国政でのキャリアを強みに2期目を目指します。

この国の未来を託す衆議院選挙の投票は10月27日に行われ、即日開票されます。