FBS福岡放送

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私たちの食卓に欠かせない食材の一つ、卵の値上がりが続いています。ことしの暑さの影響などで4か月連続で値上がりしています。この時期ならではの、意外な需要もありました。

■元木寛人アナウンサー
「甘くて良い匂いがします。こちらではケーキの土台となるスポンジが作られています。」

福岡市西区のケーキ店です。販売するおよそ15種類のケーキをすべて手作りしています。

■パティシエ
「ショートケーキです。きょうは40個くらいですね。」

■ストロベリーオンザパレット・奥本浩司さん
「これからまさにクリスマスを迎えるので繁忙期に入ってくる。生産量も上がっていく状況になっています。」

これから書き入れ時を迎えますが、ケーキ作りに欠かせない卵の価格が上がり続けていることに頭を悩ませています。

■奥本さん
「卵ですね。卵(の価格)が上がってきていて、苦しいところです。こちらが仕入れている伝票ですが、上の段が5月、下の段が9月。(4か月で)3000円くらい上がってきている。」

月に400キロほどの卵を仕入れますが、毎月の仕入れ値はこの5か月の間に、3万円以上アップしました。それでも何とかケーキの価格は据え置いたままですが、値上げに踏み切らなければ経営は追い込まれる一方だと話します。

■奥本さん
「利益は減ってきていますし、人件費の高騰もある。バターやマーガリンなどの油脂類も上がってきている。かなり苦しいというのが現状ですね。」

JA全農たまごによりますと、福岡の卵の卸売価格は、4か月連続で上昇しています。6月から、Mサイズ1キロあたり79円の値上がりです。過去5年間で見ると、鳥インフルエンザの影響で価格が高騰した去年の“エッグショック”に次ぐ高い水準となっています。いったい何が起きているのでしょうか。

福岡県鞍手町の野上養鶏場では、7万5000羽のニワトリを飼育しています。卵の価格が高い原因の一つには、円安などによるエサ代の値上がりがあるといいます。さらに追い打ちをかけたのが、ことしの猛暑です。

■野上養鶏場・藤井豪社長
「(ニワトリが)エサを食べきれていない。暑いと水分ばっかりとって食べ物を食べられなくなる。動物も一緒でニワトリもエサを食べられないので、卵も小ぶりで産卵率が落ちる。」

こちらの養鶏場では通常、ブランドタマゴ「味宝卵(みほうらん)」を一日6万5000個ほど出荷していますが、厳しい暑さが続いたことし7月以降、一日の出荷量は1万個以上減っているといいます。

福岡市東区のスーパーを訪ねました。

■阿部まみアナウンサー
「こちらのスーパーでは卵の価格が今月に入って徐々に上がってきているといいます。今は安売りで1パックM玉で200円を切っていますが、普段は200円を超えているそうです。」

取材した23日は卵の特売を行っていましたが、普段はMサイズの1パックは例年より50円ほど高い状況です。

■エムズ美和台店・久松浩一店長
「外食の方で、月見フェアとかよく卵を使うようになってきていまして、卵は少し品薄になってきている。」

■買い物客
「(卵は毎日)使います。お弁当作っているので。200円切るとありがたいですが。」
「いっぱいは買えないので、なるべく安い時にこまめに買うようにしています。」

“物価の優等生”と言われてきた卵。これからの季節は鳥インフルエンザの影響も懸念され、今後、価格が落ち着くかどうかは不透明な状況です。