ジャッジの62号に、マラドーナの“神の手“も超えた異様な価値 50号狂騒曲が示した大谷翔平の偉才「現実離れしている」
ジャッジ(左)やマラドーナ(右)の作ったメモリアルなボールを超える価値を産んだ大谷(中央)。(C)Getty Images
異次元の値が付いた。
現地時間10月22日、大谷翔平(ドジャース)が今年9月のマーリンズ戦で放った「50号記念球」のオークションが入札期限を迎えた。最終的な落札価格は、なんと360万ドル(約5億4695万円=落札時のレート)。手数料を含めると439万2000ドル(約6億6727万円)となり、レジェンドの“節目”の記録を軽々凌駕する衝撃の価値となった。
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その価値も納得の歴史的な一球ではある。敵地でのマーリンズ戦で大谷は自身初の3打席連発を含む6打数6安打10打点2盗塁を記録。第5打席に放った一発で史上初となる「シーズン50本塁打&50盗塁(50-50)」を達成した。
記念球をキャッチしたファンは、球場にいた警備員に連れられて即退席。ドジャースから30万ドル(約4500万円)とサイン入りグッズでの譲渡を求められたものの、それを拒否。米オークションサイト「Goldin」へ出品していた。
50万ドル(約7600万円)という最初の設定価格から大きく価格は高騰した。それだけ50号記念球を欲するマニアが相次いだ証左とも言える。そして、何よりも驚くべきは、439万2000ドルがあらゆるスポーツの“記念球”と比較しても突出しているという点だ。
これまで野球界における「記念球」に関するオークション価格の1位は、マーク・マグワイアの70号ボール(1998年)につけられた305万ドル(約4億6334万円)。続いてヤンキースのアーロン・ジャッジの62号ボール(2022年)が150万ドル(約2億2790万円)、ベーブ・ルースが1933年の球宴で放った本塁打ボールが80万5000ドル(約1億2230万円)である。
また、他のスポーツ界のメモリアルなボールと比較しても大谷は頭ひとつ抜きんでている感がある。
サッカー界では1986年のメキシコ・ワールドカップで、アルゼンチン代表FWディエゴ・マラドーナが左手でゴールにねじ込んだ試合球が240万ドル(約3億3500万円)で落札されている。だが、そんな「神の手」でさえも大谷の50号球には差をつけられている。
往年の大スターたちが刻んだ記憶に残るボールよりも、遥かに大きな価値がついた。元米スポーツ専門メディア『The Athletic』のエバン・パーカー記者は「現実離れしている。(2位を)大きく引き離して、史上最も価値のあるボールだ」と記したように、一連の狂騒曲は、大谷の偉才に対する世界的な関心度の高さを物語ると言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]