なぜ大谷翔平と勝負? 得点圏打率「8割超え」なのに敵球団が避けない理由をMLB通算213勝の大投手が分析「どうやっても無理だ」

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ポストシーズンで勝負強さがより際立っている大谷。そのパフォーマンスは百戦錬磨の大投手も舌を巻く。(C)Getty Images

 大谷翔平(ドジャース)の勢いは、“ヒリヒリした”戦いの中でも続いている。

 ヤンキースとのワールドシリーズにまで勝ち進んだドジャースの快進撃が米球界を賑わせる中で、大谷の存在感も際立っている。メジャーリーグに移籍してから7年で初のポストシーズンに挑んでいる背番号17は、打率.286、3本塁打、10打点、OPS.934と活躍。さらに得点圏では打率.667(9打数6安打)のハイアベレージを叩き出している。

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 スター軍団の中で「打者専任」でありながら異彩を放つ大谷。彼が打つか、はたまた抑えるかは、現地時間10月25日から始まるワールドシリーズでも小さくない焦点だ。15年ぶりの“世界一”を目指すヤンキースにとっても戴冠を左右するポイントだと言っても過言ではない。

 史上初となる「シーズン54本塁打・59盗塁」を達成したレギュラーシーズンと同様とは言わないまでも、好調を維持している。そんな大谷との“勝負”は現地メディアでも小さくない話題となっている。

「得点圏でオオタニを抑えるのは宝くじに当たるような確率だ」

 こう語るのは、現役時代にMLB通算213勝、154セーブを挙げた往年の大投手であるジョン・スモルツ氏だ。米スポーツ専門局『FOX Sports』の中継を解説を務めるレジェンドは、同局のポッドキャスト番組「Dan Patrick Show」で「なぜ投手たちは彼(大谷)と勝負するのか」という問いに、経験則に基づいた持論を展開した。

「ランナーがいる局面では投げざるを得ないよ。前にも言ったことがあるが、もしも、今の状態が続くなら、(申告敬遠以外に)抑えるのはどうやっても無理だ。そもそも彼ほどの打者がランナーがいない場面で打てていないというのも異常だ。全く理屈が通らない話だ」

 さらに直近22打席での得点圏打率.818(22打数18安打)という成績をふまえ、「私は確信している。私はこのシリーズのどこかでヤンキースがオオタニを敬遠して、次の打者と勝負する場面があるとね」と強調。そして、こう続けている。

「その策が結果的にどうなるかは分からない。『まぁがんばれ』という感じだ。でも、だからこそ、ドジャースの上位打線が非常に強力なんだと言える。とにかくオオタニをはじめとする彼らと対戦する時にランナーを貯めるべきじゃない」

 百戦錬磨の大投手をして、「異常」と言わしめる大谷。ヤンキースとの“頂上決戦”においても、彼の存在価値は高まっていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]