【吉田 みく】30代の「専業主婦」がせどりで大赤字…!夫に内緒にしてる「損失額」の中身…「やるんじゃなかった」

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日本の景気が低迷しているなか物価の高騰が止まらない。政府はこの状況を受けて、10月から最低賃金の引上げや、教育無償化を行うなどの政策に踏み出したものの、物価の上昇率は“少しの引上げ”だけでは到底追いつかないほどだ。

総務省『消費者物価指数』の30年間の日本の消費者物価指数の推移をみると、2019年より徐々に上昇をはじめているものの、過去10年間では約1%の上昇率で、日銀が打ち出した前年比2%には到底遠い。

巷の反応としては、急な値上がりに「上備している食品を一品減らす」「節約を始めた」などの声もあるが、先立つ給与が上がらないなかでの値上がりは、今後のお金が不透明なだけに不安を感じてる潜在的にも人も多い。

東京都在住のマホさん(仮名、39歳)もそんなひとりだ。現在は専業主婦だが、働きたい気持ちが強く、子育てと仕事の両立がうまくできずに悩んでいたところ、「簡単そう」せどりを始めたという。

儲かるどころかむしろ赤字

「ネットショッピングで利益が出る商品を探し回りましたが、探すのがすごく大変でした。利益率が高いと思って大量仕入れしたら全然売れなかったり、サイトから転売目的の購入と判断されアカウント停止になったり。

子どもが学校へ行っている間にディスカウントストアも沢山めぐりましたが、全然利益が取れる商品に出会えませんでした。

なんとか見つけたとしても利益100円に満たないものばかり。仕入れに使ったクレジットカードの支払いの工面もしなくてはならず、早く売り切るために利益10円で売り抜いたこともあります。

包装資材を購入すると高いことも知りました。何種類も用意しなくちゃいけないし、置く場所も取ります。軍資金の貯金はどんどん減っていって、儲かるどころかむしろガソリン代が掛かって赤字です」

商品の梱包から発送準備の作業スペースは子供部屋で行い、現在は、屋根裏部屋や廊下にも在庫品や資材が山積みの状態だとマホさんは言う。

「この先この仕事を続けていくとなったら部屋が足りなくなってしまいます。気合いを入れて商品棚まで用意してしまいましたので後戻りできない状況だったんです」

セレブ風の「現役女性せどらー」

商売を成功させるには、次々とリリースされる売れる商品の確保が必要と、ときには夫からお金を借りることもあったという。マホさんが仕入れた商品のなかで売れるものは、瞬間風速的にはなくなるものの在庫を増やすと売れないなどのこともあり、在庫は増えていく一方だった。

梱包などは夫や子どもにも手伝ってもらって頑張ったものの、利益は5万円前後。仕入れリスクやスキマ時間をフル活用していることを考えると、決して効率の良い稼ぎ方ではない。それでも利益を増やそうと、大手通販サイトへの出品も決意したが、手数料が高額で薄利多売のため、月の売上は1万円ほどしかのびなかった。

「じつは『転売ヤー』『底辺』などとネットの声を耳にするので、ママ友や学生時代の友人にはせどりをしていることを話せていません。買い占めや高額転売はしていませんが捉え方は人それぞれなので、話してもいいことないと思ってしまいます。なので夫以外は私が働いていることは知りません。

夫は私が働きたいという気持ちを汲んでくれているので応援はしてくれていましたが、仕入れや売れ行きの悩みを相談しても『俺に聞かれてもなぁ……』と言われてしまうので、話しづらいんです。一人で仕事をする気楽さもありますが、孤独感もすごく強く感じてしまいました」

現状打破するために何かできないか……そこで出会ったのがせどりのノウハウを発信するyoutubeチャンネルだった。

「現役女性せどらーさんがハイブランドファッションで身を包み、ディスカウントストアを巡る動画を毎日のように見て成功の秘訣を勉強していました。利益商品の見つけ方、販売する上での注意点、ワンポイントアドバイスなどを丁寧に解説してくれるんです」

この女性のせどらーは、自身のスクールも運営しており、動画にそのスクール生も映ることがあるという。仲間と一緒に仕入れをしたり、オシャレな場所でお茶をしながら雑談したりする姿を見て、マホさんは羨ましい気持ちになったと話す。

「相談する人もおらず、ひとりぼっちでずっと仕事をしていたので、孤独を感じていたんです。なのでせどり仲間と楽しみながら仕事が出来たら良いなと思いました。

無料で相談に乗ってくれるとのことだったのでコミュニティに登録、コミュニティには更に詳しく書かれたせどり情報が記載されており、良い印象しかありませんでした」

しかし、この「せどりの情報スクール」を知った、夫からのある一言でマホさんの目が覚めていく。

「夫から『せどりだけじゃ稼げないから高額な情報スクールをやっているんだと思うよ』と言われました。スクールの料金相場を調べてみると50〜100万円、やり方を知っている人に聞くのが一番良いと言っていましたが、こんな高額な料金は払えません。

優しく説明してくれている裏には何かあることを忘れてしまうほど、赤字を取り戻さなければと必死で何も見えなくなっていました」

結局解決できない「根本の悩み」

これを機に、もう一度せどりを続けていくか考えた結果、早期撤退を決意。わずか半年弱だった。売り切ることが出来なかった在庫は自分で使って消費したり、販売時に利用手数料が掛かるフリマアプリだけを利用するなどして在庫を減らしている。

「せどりのために買った棚や資材は、いまも部屋の片隅にあります。トータルで考えると赤字です、やらないほうが良かったです。でも今の私が挑戦できることとしたら、これしかなかった気もします。情報スクールに参加していたらもっと赤字だったかもしれないと思うと、ここで決断できてよかったと思っています」

赤字額は30万円ほど、この事については夫に話していないそうだ。せどりは諦めたものの、マホさんから稼ぎたい気持ちがなくなったわけではない。現在も収入と教育の両立で頭を抱えてる。

「振り出しに戻ってしまった気がして焦っています。ママ友や学生時代の友人は旅行へ行ったり注文住宅を購入したりと裕福な生活を送っている割合が高く、どうやったらそんな余裕がでるのか不思議でたまりません。専業主婦が片手間に仕事をするのは効率が悪いのかもしれません。

それかいっそうのこと、仕事が潤沢にある都心へ引越して私も働き始めるのが良いのでしょうか。そしたら習い事の送迎もなくなりますし、時間も空きます。でも生活にかかるコストが悩みどころです……」

現在もマホさんの仕事について考えがまとまっているわけではないが、最近は株式売買に興味を持ち始めたそうだ。家事をしながら株の情報を扱うテレビを見たり、ネットでおすすめされている株主優待が貰える企業をチェックしたりと勉強中だ。

家事育児の両立、パートナーの仕事事情などから決められた時間に仕事をすることが難しい人は一定数いる。スキマ時間に仕事をして家計を助けたい気持ちがあることも大変理解できる。

しかし最近ではSNSを中心に副業や在宅ワークをサポートする名目で高額な情報スクールへ勧誘するケースも増えており、投資したお金を回収できずに終わることも珍しくない。どんな仕事であっても情報の取捨選択を自分でできるかが成功出来るか否かの鍵なのかもしれない。

…つづく<嫌がる息子に小学校受験をさせたら、思いがけない「地獄」が待っていた…40代主婦が絶句した次男からの「衝撃の一言」>では、無理矢理受験をさせた結果、わがままに育ってしまった息子に手を焼く母親の実態をお伝えします。

嫌がる息子に小学校受験をさせたら、思いがけない「地獄」が待っていた…40代主婦が絶句した次男からの「衝撃の一言」