謎の“赤く染まる空”…超常現象?オーロラ?それともUFO基地か 長さ約300mの建物から放たれる“赤い光”の意外な正体

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9月26日にカメラが捉えた世にも奇妙な1枚。
夜の闇に“赤く染まった空”が不気味に浮かび上がっている。

近隣住民は「最初、俺『火事?』と思って。でも光違う…みたいな」「オーロラかなと思った」
「UFOの基地があるんじゃないかなんて」と目撃情報を口々に語る。

UFOの仕業か、はたまた超常現象か。
カメラが捉えた“赤く染まる空”は超常現象なのか?その正体は…。

長さ約300mの広大な建物から放たれる“赤い光”

“赤い空”が撮影されたのは、福島県白河市。

ナゾを解明すべく、午後11時半に現地へ向かうと、ちょうど空に赤い光が現れ“赤い空”に遭遇した。まるでオーロラのような不思議な光景だ。

恐る恐るその真下まで行ってみると、目の前に現れたのは空と同じように赤く光る屋根。これが原因なのか?

長さ300mはあろうかという広大な建物から放たれる赤い光。この建物はいったい何なのか?

翌日、この建物を訪ねてみると、あたり一面、緑が広がっていた。

みちのく白河農園 志田智史農場長:
この農場は、トマトを育てています。

という。
ここは、栽培面積約2万2500平方メートル、サッカーフィールド3面分の広大な敷地で、年間900t のトマトを栽培している「みちのく白河農園」だった。
では、あの“赤い光”は何なのだろうか?

みちのく白河農園 志田智史農場長:
植物の光合成に光が必要なんですけど、その光を補うためにLEDを点灯して栽培しています。

畑をよく見てみると、各レーンに棒状の赤く光るライトが設置されていて、その数は約5000本もあるのだという。

「トマトは栽培に光がたくさん必要なんですけど、9月ぐらいになると日射量がだんだん落ちてきて十分な光がなくなってしまうので、日の短い冬の間も収穫量を安定して確保しようということでLEDを使用しています」と志田農場長は話す。

9月末からLEDライトを本格的に使い始めたというトマト農園。2024年は台風や大雨の影響が心配されたが、赤いライトのおかげでトマトの成長を維持できたという。

空まで“赤く”染める理由は…「低い雲」「盆地」にあった

ところで、なぜ“赤い”ライトなのか?

みちのく白河農園 志田智史農場長:
光合成に効果がある光が赤。赤色が光合成を促進してくれる。

トマトの光合成を促し、成長を維持するという赤いLEDライト。だが、なぜその光が空まで赤く染めていたのか?

気象予報士の芦原瑞文氏は「(赤い空の)一番大きな要因としては、とにかく雲が低いってこと。おそらくあれはかなり低いところにできている雲です。白河農園さんのある場所の地形というのは、小さな盆地になってるんですね。雲ができやすい上にこの山に囲まれているので、雲が流れて逃げていきにくい」と分析する。

広大な敷地から発せられた光が、盆地でとどまる低い雲を赤く染めていた。

この不思議な空の光景は、冬にかけてしばらく目撃されそうだ。
(「Mr.サンデー」10月13日放送より)