寒暖差疲労には自律神経を整えられて、食物繊維が豊富なきのこを摂ろう!
野村邦丸がパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・毎週月曜から木曜9時~13時)内で火曜日の11時半ごろから放送されている「ホクトpresents きのこで菌活~カモン健康!」。きのこを食べて身体の内側から「健康」になる方法について、「日頃の生活の中で気になる健康」をテーマに、毎週、その道の専門家に話を聴く。
今週は、愛知医科大学病院 疼痛緩和外科・いたみセンターで、日本初の気象病外来・天気痛外来を開設された、医学博士の佐藤純先生に「寒暖差疲労」というテーマで話を伺った。
近年、よく聞かれるようになった「気象病」。病気のなかで、気象の影響を受けるものの総称であるが、中でも寒暖差による不調が「天気痛」。気象病・天気痛の症状には、頭痛だけでなく、めまい、耳鳴り、倦怠感、うつ等もあり、症状やその重さも人によって様々。また寒暖差による「寒暖差疲労」も近年注目されている。
「寒暖差疲労」は、気温差が7度以上あると起きると言われており、体温を調整する自律神経が過剰に働いてしまうことで、全身の倦怠感、冷え性、頭痛、首や肩のこり、胃腸障害、イライラ、不安、鼻炎などのアレルギー症状など、様々な症状が出てしまうという
では、「寒暖差疲労」の対策に重要なこととはいったい何なのか。
邦丸「ここでも自律神経の働きが影響してるということですが、先生どんな対策をしていけばいいんでしょうか」
佐藤「まずは身体を中から温めるということです。冷たい飲み物や身体を冷やす食材をたくさん摂っていらっしゃったと思うんですが、これをそろそろ取りすぎないように注意して身体を温める食べ物を多く取るようにしていただきたいと思います。一方で、身体を外から温めるのも効果的です。まず入浴ですね。入浴はだいたい38度から40度くらいのお湯にゆっくり目、10分とか15分程度。肩までしっかりと浸かるようにしてください。それから寝る時就寝時には明け方に寒さを感じることがないように寝具などで身体を冷やさないように工夫をしてください」
邦丸「日中の生活の中でできる対策というのはどうでしょうか」
佐藤「やっぱり日中は軽い筋トレとか全身のストレッチをするといいと言われています。マラソンなど、ハードな運動はする必要がないです。ウォーキングなどの有酸素運動をする。また、ゆっくりと深呼吸をすることも自律神経を整えるのに効果的です」
邦丸「食事面ではどんな食事を摂るのがお勧めでしょうか」
佐藤「実は腸には脳に次いで多くの神経細胞が存在しています。これで第二の脳とも言われています。ですので、胃腸の調子を整えることがとても大切です。バランスの良い食事を摂って寒暖差疲労に負けない身体づくりをするために、エネルギー源になるタンパク質、あるいは疲労回復効果があるビタミンB群は積極的に摂るようにしていただきたいです。例えば、きのこには、糖質やタンパク質、脂質の代謝に働きかけてくれるビタミンB群が豊富に含まれています。また、きのこには自律神経を整えるのに有効なGABAも豊富に含まれています。GABAとは、近年、抗ストレス作用をもつことで注目されている神経伝達物質で、γ-アミノ酪酸のことをいいます。ヒトがストレス状態に陥ると大脳を中心に興奮が高まるわけなんですが、この神経細胞の興奮を抑制して、ストレス状態を緩和してくれます。GABAを多く含む食品は、きのこの他、発芽玄米、トマトなどが有名です」
邦丸「腸内環境を整えるには食物繊維を摂りましょうってことはよく聞きますよね」
佐藤「腸内環境を整える食べ物はいろいろありますが、代表的なのは食物繊維です。食物繊維の中でも、「きのこ」などに含まれる「水溶性食物繊維」は、腸内で善玉菌のエサとなり、発酵されて「短鎖脂肪酸」となります。「短鎖脂肪酸」というのは 「酪酸」、「プロピオン酸」、「酢酸」などの「有機酸」のことで、とくに「酪酸」は、「腸上皮細胞」の最も重要なエネルギー源で、抗炎症作用など優れた生理的効果を発揮するんですね。近年では、飲酒や偏った食生活、睡眠不足、ストレスなどにより、腸内細菌のバランスを崩しやすい人が多くなっています。腸内環境を整えるだけでなく、さまざまな面で健康にやさしい「食物繊維」を多く含む「きのこ類」を食事に取り入れるのをおススメしています」