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 広島・ドラフト4位仲田侑仁内野手(19)が宮崎で開催されているフェニックス・リーグで全試合「4番」として起用されることが14日、分かった。高信二2軍監督(57)が「ずっと4番で使う」と明言。高卒1年目の今季はシーズン最終戦で高卒新人としては球団史上初となる「4番・一塁」で1軍デビューを果たし、プロ初安打をマーク。期待の大砲を成長させるべく、南国の地での英才教育が本格化する。

 4番で英才教育だ。フェニックス・リーグに参加している高卒1年目の仲田について、高2軍監督は4番起用で育成していく方針を示した。

 「とにかく大きく育ってほしいという願いで、ファームでは、ずっと4番で使っていきます」

 同リーグは24打数1安打、打率・042。1メートル87、105キロの恵まれた体格を生かした豪快な打撃は影を潜めるが、未来の4番候補への期待は大きい。今後も結果に関係なく、4番起用を続けていく構えだ。仲田も期待を受けとめ、打撃向上を期した。

 「打順が4番だが、やることは変わらない。まだ打てていないので、単打から積み重ねていって、何年後かには本塁打の打ち損じが、単打になると言えるぐらいになりたい」

 今季はシーズン最終戦となった5日のヤクルト戦で、高卒新人としては球団史上初の「4番・一塁」でデビューを飾り、4回の第2打席で初安打となる左前打を放った。この1試合の経験が来季への原動力となっている。

 「全然2軍の試合とも雰囲気が違いますし、その舞台で経験できたのはよかった。技術はまだまだ足りないので、しっかり積み重ねて成長につなげていきたい」

 さらなる高みを目指して、今秋は「タイミングと重心移動」をテーマに掲げる。新井2軍打撃コーチは「バットをしならせて、体の近くを通すことができるし、スイング自体は非凡なものを持っている」と評価した上で、「まだ打つときに割れがない。そのまま直線的に打ちに行ってしまうので、割れや捻転というのが課題になる」という。日本ハム戦が降雨で中止となったこの日も、室内練習場でバットを振り込み、同コーチとともに改善を図った。

 今季、チームは12球団最少の52本塁打。長距離砲の存在が急務となっているが、長い目を見て和製大砲を育成していく。「自分のいいところ(フルスイング)はつぶさず、自分のスイングを貫きたい」と仲田。4番で経験を積み重ね、真の大砲への階段を上っていく。 (長谷川 凡記)

 ◇仲田 侑仁(なかだ・ゆうと)2005年(平17)7月31日生まれ、沖縄県出身の19歳。沖縄尚学では3年の春夏連続で甲子園出場。高校通算22本塁打。23年ドラフト4位で広島入り。今季はウエスタン・リーグで54試合に出場し打率・193。1軍最終戦の10月5日ヤクルト戦に「4番・一塁」でプロ初出場。1メートル87、105キロ。右投げ右打ち。