〈名古屋・両親を撲殺〉「クサいと暴言吐かれた」逮捕された“100キロ超”無職の息子(36)の悪評と怒声、事件夜に起きた「謎の事故」

写真拡大

名古屋市緑区亀が洞のマンションに住む男から10月10日午後、「同居する両親を殺してしまった」と110番通報があり、愛知県警が現場に急行、60代とみられる男女2人が倒れてすでに死亡しているのを確認した。県警はこのうち母親とみられる女性を殴るなどして死なせた疑いで通報してきた自称無職、喜多圭介容疑者(36)を殺人容疑で逮捕した。

〈画像あり〉一家が住んでいたマンションと壊された塀

昼間にも家で争う声が…

喜多容疑者は事件後に自殺を図ったとみられ、頭や腕にけがをしていた。

調べに対し「母親が自分の金を使うことに腹が立った」と動機を供述する一方、「殺すつもりはなかった」と殺意は否定。県警は家族間のトラブルの詳細を調べている。

現場は名古屋市営地下鉄桜通線徳重駅付近の住宅街の一角。同じマンションの女性住民は一家の印象をこう語る。

「喜多さんとは会えば挨拶をする程度で顔は知っていました。お母さんは70代ぐらいに見えて、息子さんは相撲取りまではいかないけど身体の大きな方でしたね。

髪を染めるとか服装が派手とかそういうことはなくて、ごく普通の印象です。マンション内で会えば挨拶もしてくれましたしね。

私がここに住み始めて10年になるし、喜多さん母子は当時もういらしたので、ここには少なくとも10年以上は住んでいると思いますよ。

親子仲が悪いようには見えなかったし、ちょくちょくお母さんと2人で車でどこかに出掛けてましたね。お母さんが運転して、息子さんが助手席です。

最後に見たのはいつだろうねえ。何ヶ月か前だったと思う。喜多さんのお宅が何人暮らしかはわかりませんが、ここの住宅は3LDKなので家族で普通に住めますよ」

マンションの近くに住む別の女性はこう振り返る。

「息子さんはベランダにいるのをチラッと見たことあるくらいで、話したことはありません。

ただ、3年前くらいから、そのベランダあたりから男性の怒鳴り声がよく聞こえてきたんです。そんな怒鳴らないでもっていうくらいの声量だったので、印象に残っています。夜中とかではなく昼間ですよ。何かを叱っているような内容でしたね。

覚えているのは簡単に言うと『お風呂に入れ』ということなんですが、直接的な言い方ではなくまわりくどい言い方をしていました」

マンションの男性住民も、喜多容疑者は巨漢だったと証言した。

「事件を起こした息子は、白髪混じりの整えていない髪が印象的でしたね。長髪じゃないんだけど、散髪しているようには見えませんでした。

身長は185近くあって体重も120キロ以上ありそうな巨漢の肥満型です。その上、服装もいつもヨレヨレのジャージ上下で、うすら髭を生やしていて、正直近寄りたいタイプではありません。

こちらが目を逸らしているからかすれ違っても挨拶もしてきません。日中、母親と一緒に車でどこかに出かけているのはよく見かけましたが、どこに行っているのかはわかりません。

いつも母親が駐車場に車を停めるとすぐさま1人だけ出て歩いて帰っていくので、母親と談笑している姿は見たことないですね」

壁にぶつかる事故を起こした

この男性は、今回殺害された父親とみられる男性についても心当たりがあるという。

「たまにですが、小柄な60代以上に見える男性と母親と息子でマンションに戻ってきたり、母親と小柄な男性だけで戻ってくることがありました。

今回の報道があるまでは、その人を保険屋か何かだと思っていたのですが、もしかしたら父親かもしれません。

てっきり息子と母親の2人暮らしだと思い込んでましたから。あの部屋からは半年に2~3回のペースで、男女が怒鳴り合う声が聞こえてきたことはありましたが、大きなトラブルっていうのはなかったんです」

事件を予感させるような深刻なトラブルはなかったものの、喜多容疑者は異様だったという。

「私の妻が可燃ゴミを出しに行こうとこの2人とすれ違った際に、息子の方から『うわっ、臭え。何したらこんな臭くなるんだよ』と言われたことがありました。

そういうこともあって関わりあいになるのを避けていました。事件を起こすとほどではないけど、変わっているとは思っていたんです。

事件の日も特に大きな争う音などは聞こえませんでしたけど、9日の夜に容疑者宅の車がマンションの敷地の壁にぶつかる事故を起こしています。

これと事件の関係はよくわかりませんが、普通なら事故を起こさないような塀にぶつけて、隣の人の駐車スペースに入り込むような形で車は停まっていました」

県警の調べでは、喜多容疑者が母親を殺害したのは9日ごろとみられている。逃亡や自殺を図ったが、ついに観念したのだろうか。

県警は11日、見つかった2人の遺体は父親の喜多禎則さん(61)と、母親の由美子さん(61)だったと発表した。司法解剖の結果、2人の死因は、いずれも複数回殴られたことによる外傷性ショックだったという。

一体、この家族に何があったのか。警察の捜査が待たれる。

※「集英社オンライン」では、今回の記事に関連した情報を募集しています。下記のメールアドレスかXまで情報をお寄せください。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班