最終第5戦を翌日に控え、報道陣の質問に答える大谷(撮影・小林信行)

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 大谷翔平選手(30)と山本由伸投手(26)が所属するドジャースが11日(日本時間12日)、本拠地ドジャースタジアムでダルビッシュ有投手(38)、松井裕樹投手(28)のパドレスと地区シリーズ第5戦を戦う。勝てばシリーズ突破の大一番。ド軍は大谷が「1番・指名打者」で出場し、山本が先発のマウンドに立つ。パ軍はダルビッシュが第2戦の7回1失点に続く好投を目指す。ポストシーズンで日本投手2人が先発で投げ合うのは史上初めて。歴史的一戦となる。

 ド軍選手を代表して出席した記者会見。「本当にあした勝つことに全部集中している」。大一番を前にしても大谷は落ち着き払っていた。

 背水の陣で臨んだ前夜の第4戦は二回に適時打を放つなど、三回までに5点をリード。リリーフ陣8人のリレーで完封勝ちした。「全員でつかみ取った勝利。それを継続して明日もできれば必ず勝てる」。チームメートへのメッセージのような言葉を口にした。

 四回の走塁では累審の珍プレーで本塁憤死。怒りを爆発させた理由を問われ、「もう忘れました」と言って笑いを誘った。

 ここまで4戦の打率は・250と平凡だが、得点圏打率は・750(4打数3安打)。「自分の仕事が今のところできている」と自己評価する。逆王手をかけた最終戦。相手先発はシリーズ2度目の登板となるダルビッシュだ。前回、第2戦では7回で1点しか奪えずに完敗。自身も3打席無安打と完全に封じられた。

 「素晴らしい投球でした。万遍なくうまく投球できるのが一番すばらしい点。(打席は)プレッシャーもあると思いますが、個人的にすごく楽しみ」

 8歳上の右腕を称えながらもそこに悲壮感はみじんも感じられない。

 短期決戦。フィールド上で感情を爆発させる姿が話題になっている。「そこも含めて自分。感情的になることが良い、悪いとかではなく、相手にリスペクトを持ちつつ、チームを鼓舞するような感情はいいんじゃないか」と持論を展開した。

 本拠地で迎える最終戦。「相手の方がプレッシャーはかかるのかなと思う。相手に負けることなく強い気持ちを持って立てればいい仕事ができると思う」。メジャー最強の1番打者。一心不乱に勝利を目指す。