石破新首相の誕生を祝い、くす玉を割る関係者ら(八頭町郡家で)

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 石破茂・自民党総裁(衆院鳥取1区)が第102代首相に選ばれた1日、鳥取県内ではテレビの臨時国会中継を流すイベントや祝う会、鏡開きなどが行われ、県選出で初めての首相誕生に喜びと期待の声が上がった。

 石破氏の出身地・八頭町のJR郡家駅構内にある交流施設「ぷらっとぴあ・やず」では、町がテレビの臨時国会中継を映したスクリーンを設置。吉田英人町長や町民ら約60人が見つめた。

 衆院本会議での首相指名選挙は、当初予定より約30分遅れて開始。戸惑いの表情を見せる人もいたが、指名の瞬間を待ち続けた。

 石破氏が指名されると、くす玉を割り、万歳三唱で祝福した。町役場には「祝 石破茂氏 内閣総理大臣就任」と書かれた垂れ幕を掲示。同駅の電光掲示板にも表示された。

 同駅近くで唐揚げ店を営む岡嶋政行さん(73)は、地元で石破氏の演説や講演を何度も聞いてきた。「地元から首相が誕生し、感動している。地方に明るさと笑顔を取り戻すためにも、石破さんには経済対策を推し進めてほしい」と期待した。

知事、議会関係者ら祝福

 鳥取市今町のホテルニューオータニ鳥取では、「石破茂代議士の内閣総理大臣就任を祝う会」が開かれた。平井知事ら県内自治体、議会関係者らが集まり、万歳をして首相選出を祝福した。

 壇上にはくす玉が用意され、「おめでとう」のかけ声とともに、自治体の首長や議会関係者らがひもを引っ張って割ると、会場から大きな拍手が送られた。

 平井知事は石破氏について、「みんなが元気になるような日本を目指している。人口減少、防災、経済、外交、安全保障など様々なジャンルに切り込まねばならない」と述べた。

 その上で、「『鳥取でできることから始めていく。それが日本を変えることなんだ』とおっしゃっていた。一致結束して、鳥取の未来を日本の未来へとつなげていきたい」と呼びかけた。

 鳥取市の深沢義彦市長は、石破氏が「防災省」の設置を目指していることから、「災害が多発する日本で、国が責任を持って安全安心な地域社会の実現に力を発揮してほしい」と要望した。

 石破氏を小学生の頃から知る渡辺憲・後援会長は「議論では、相手の考えもよく聞いて自分の意見と戦わせながら、発展的な考えを作っていくようなところがあった。議論で成長してきて今日に至っている」と振り返った。

 総裁選を受け、「党内には感情的なしこりや対立がまだ残っていると思うが、政策をすりあわせて党内をまとめてくれるはず」と期待。総選挙が始まることから「この1か月は大変だと思うが、皆さんと一緒に支援活動に取り組みたい」と決意を述べた。