「固形せっけん」で“洗髪”してもOK? 髪に悪影響? 美容師に聞いてみた
高齢の人のほか、ヘアケアやスキンケアにあまりこだわりがない人の中には、固形せっけんで体と髪を同時に洗う人もいるようです。この場合、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。美容師の原木佳祐さんに聞きました。
髪がきしんだり絡まったりする原因に
Q.高齢の人がシャンプーではなく、固形せっけんで髪を洗うことがあります。洗髪時に固形せっけんを使うと、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
原木さん「メリットは、やはり髪から足のつま先まで、洗うアイテムがせっけんだけで済んでしまうことですね。デメリットですが、髪の長さや毛量によっては、髪の毛がきしんだ感じになったり、絡まったりすることが考えられます。
年齢層の高い男性が固形せっけんをよく使う印象があるのは、髪の毛が短く、毛量が少ない人が多いため、問題がないということではないでしょうか」
Q.では、固形せっけんで髪を洗っても問題がない人、洗髪時に固形せっけんの使用を避けた方がよい人の特徴について、それぞれ教えてください。
原木さん「髪がある程度長い人が洗髪時に固形せっけんを使うと、洗い上がりがよくない場合が多いです。そのため、スキンヘッドや坊主のような髪が短い場合を除き、固形せっけんを使うのは、基本的にお勧めしません。
そもそも、固形せっけんの多くは弱アルカリ性ですが、髪の毛は弱酸性です。髪の毛がアルカリ性に傾くと、きしみ感や突っ張ったような感覚になってしまうんですね。体を洗うときも、洗浄力が高過ぎる製品を使ったり、過度に洗い過ぎたりしてしまうと突っ張った感覚になると思いますが、このような現象が髪にも起こっているのです」
Q.ちなみに、ネット上では「せっけんで髪を洗うとはげる」という内容の情報がありますが、事実なのでしょうか。
原木さん「こうした情報は事実ではありませんね。やはり、年配の男性が固形せっけんを使って髪を洗うイメージが強いため、そういった人が使用していることで『脱毛してしまう』という誤った情報が広がってしまったのではないでしょうか」
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基本的に固形せっけんで髪を洗うと、髪がきしんだり、絡まったりする原因になってしまうということです。一部の通販サイトでは、洗髪にも対応した固形せっけんが売られているため、気になる場合はそういった製品を試してみてはいかがでしょうか。