『若き見知らぬ者たち』主人公・彩人を演じる磯村勇斗

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 磯村勇斗が25日、都内で行われた映画『若き見知らぬ者たち』完成披露上映舞台あいさつに染谷将太と登壇し、初共演の染谷に“愛の告白”をしたことをうれしそうに報告した。この日は、岸井ゆきの、福山翔大、霧島れいか、滝藤賢一、豊原功補、内山拓也監督も来場した。

 日本・フランス・韓国・香港の合作となる本作は、『佐々木、イン、マイマイン』などの内山監督による人間ドラマ。亡き父の借金返済や母の介護に追われる家族の問題と、自身の人生とのはざまで葛藤する青年・彩人(磯村)の姿を描く。

 オファー時を振り返った磯村は「まずは内山監督の作家性に惹かれました。そして脚本を読んで、内山監督とお話をしたときに、彼の内側には何か叫びたいものがあるんだろうな……と感じて、その声を彩人というフィルターを通して表現したいと思いました。この作品に絶対に参加しようと思いました」と心境を明かす。「自分の置かれている環境に呼吸することだけで精いっぱいな役柄なので、作り上げていくだけで大変でしたが、弟の壮平役の翔大が格闘技に向けて減量しているのを見ていたので頑張れました」と互いに役づくりに没頭した福山に感謝を示した。

 彩人の親友・大和役の染谷は、磯村との初対面を「初共演で大親友の二人が会話をするシーンの撮影が初めましてだったんですけど、初めましての気がしなくて、あれ? 知ってたよね? みたいな気分にさせていただきました。本当に自然とお芝居に入りました。スタッフ込みで彩人を見守っている現場だったので、心地よくお芝居をさせていただきました」と思い返す。磯村は「染谷くんをずっと好きなので。デビューする前から映画で見て、すごい素敵な役者さんがいるんだなと思っていたから、その愛の告白を現場でしたことがいい方向に行ったのかなと思います」と笑顔で報告。

 そして、彩人の恋人・日向を演じた岸井は「どんなシーンでも、どんなに辛くても、こぼれそうな思いをこぼれないように我慢してほしいと監督から言われていました」と苦しかった撮影時を回顧。また、支度場所とセットの家が近かったことから役から離れることがなく、あまり磯村と話すことがなかったという岸井は「最終日にヒゲを剃った磯村さんにお会いして、『誰?』と思いました。それくらい、彩人でいてくださったんだなと感じました」と打ち明ける。磯村は「最終日は大事なシーンだったので本当は姿を現したくなかったんですけど、会ってしまってショックを与えてしまったことは非常に反省しております」と苦笑いを浮かべた。

 最後に「日常から見過ごされているような見知らぬ者たちは確実に存在しています。この映画を通して現実の扉を開けてもらえたらうれしい」と呼びかける内山監督。磯村は「辛くなったり重くなったりするシーンもありますが、その先にあるものが何かを一緒に考えていけたらいいなと思います。ただただ暗い映画だけではないということはお伝えしたい」とアピールしていた。(錦怜那)

映画『若き見知らぬ者たち』は10月11日より新宿ピカデリーほか全国公開