【厳選】洋食店の昔懐かしいこだわりカレー店4軒!王道のビーフに、土鍋でアツアツも!フレンチの〆は欧風カレーで
カレーライスは日本の国民食。今回は肩肘はらず、ふらっと立ち寄って味わいたい洋食店の激旨カレーを紹介します。洋食店といえば、ハンバーグやエビフライといった人気メニューが目白押し。けれど、具材の旨みを引き出した、ご飯に合うソースとしてのカレーは忘れちゃいけない美味なのです。
『カレーの店 タカサゴ』 @竹橋
由緒ある老舗が守る昔懐かしい王道カレー
初対面なのに気心知れた旧友のよう。昔ながらの洋食屋さんのカレーはそんな親しみやすさがあるものです。
こちらは何と江戸創業。一膳飯屋から始まり、戦時中は官公庁の外食券食堂に指定されていたとか。西洋料理を学んだ先代がパレスサイドビルに出店した昭和46年から洋食屋になった。店名にカレーの店とあるのは他業態との住み分けで付けた名残だそう。
ビーフカレー 1000円
さて前置きが長くなったが今も看板に残るそのカレー。ポークなど4種あるが王道はビーフ。銀の容器に入ったルウは肉たっぷり、王者の風格が漂う。芳醇なコクは鍋のままオーブン煮することから生まれるもので、四方から熱が加わる圧力効果で旨み増幅。信号色の薬味3種も郷愁を誘うんだよなあ。
[住所]東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル地下1階
[電話]03-3214-2520
[営業時間]11時15分〜14時半、16時〜19時半
[休日]土・日・祝
[交通]地下鉄東西線竹橋駅1b出口から徒歩1分
『kitchen 直樹』 @蒲田
宮崎牛の旨さがぎゅっ 手間暇かけた味が人気
ルウにごろんと重厚な存在感を放つ肉は全国でも評価が高い宮崎牛だ。いやあ贅沢。それもそのはず、宮崎は店主の冨田さんの地元でもあり、その品質の良さから店の看板食材にしているのだそう。
赤身と脂のバランスがいい首から肩にかけての部位を仕入れており、カレーにはサシが控えめな部分を選んでいる。
洋食屋さんのビーフカレー 1540円(ランチはサラダ・ドリンク付き1300円)
特徴のひとつは基本のダシに同じく宮崎牛の挽き肉を隠し味に入れていること。味に奥行きを与え、さらにひと晩寝かせることで濃厚な深みとなる。米は茨城の農家直送。粘り気が少なく旨みのあるものを厳選したそうで、これがとろみのあるルウにバチリと合う。
14日かけて仕込むデミグラスソースを使ったビーフシチューも食べてほしい名作!
[住所]東京都大田区蒲田4-5-9 エクセルピアkamata
[電話]03-6424-8338
[営業時間]12時〜14時(13時半LO)、17時半〜22時(21時LO)
[休日]月・日・不定休あり
[交通]京浜急行線京急蒲田駅から徒歩3分・JR京浜東北線ほか蒲田駅東口から徒歩10分
『ワインと手創り料理 BAROSSA(バロッサ)』 @東池袋
夫妻で作り上げた名物が今も店の人気を支える
創業24年の店を支える名物カレーはマレーシアの味がベース。その誕生秘話を要約すると、こうだ。
洋食店で修業した店主が独立する時のこと。妻の美里さんがマレーシア出身だったこともあり、夫妻共々好きな現地のカレーをメニューに加えたいと考えた。地元からスパイスを取り寄せ、日本人の舌に合うよう試行錯誤。
カレーセット 1300円(昼はサラダ・ライス&ドリンク付、夜はサラダ・ライス付1430円)
ランチで出したら口コミで評判になったそうだ。夫の確かな腕と妻の協力、いわば夫妻合作、愛の結晶カレーとでも表現しようか。
サラッとしたスープタイプだが深い旨みとコクには驚かされる。聞けば現地で一般的なココナッツミルクではなく生クリームでまろやかに仕上げているとか。今や店の軸となる料理、ブレない姿勢で味を守る。
[住所]東京都豊島区東池袋2-39-15 大場ビル1階
[電話]03-5979-1505
[営業時間]11時〜15時(14時半LO)、17時半〜21時半(20時半LO)※月の夜は〜21時(20時LO)
[休日]日・祝
[交通]地下鉄有楽町線東池袋駅から徒歩8分
『odorat(オドラ)』 @赤羽
ランチコース限定の〆カレーに顔もほころぶ
ここで最新情報。話題のフレンチが〆にカレーを出すランチコースを始めた。とサラリと書いたがフレンチでは珍しい構成に前のめりの人もいるのでは。
店主はフランス料理の名店で修業した実力派だが、自身の料理が香りをテーマにしていることからカレーの人気店でもスパイスの使い方を学んだそう。
ランチコース 5500円(全5品)
ハーブやスパイスを料理に加えたり、噛んで弾けるフレッシュさを生かしたり、若き感性を散りばめたコースを締めくくるのがご覧のカレー。
わはっ、和牛を使った主役級の味は何だか得した気分だ。赤ワインが効いたルウは重層的な旨み、ホールカルダモンなどをローストしたスパイス香は芳ばしく爽やか。フィナーレに相応しい多幸感のある余韻を残す。
[住所]東京都北区赤羽西4-23-5 赤羽西ガーデンハウス1階
[電話]03-6356-2227
[営業時間]12時〜15時(13時最終入店)、18時〜22時(20時最終入店)※昼は木・金・土のみ
[休日]日・月
[交通]JR京浜東北線ほか赤羽駅西口から徒歩10分
撮影/鵜澤昭彦(タカサゴ)、浅沼ノア(kitchen 直樹)、谷内啓樹(BAROSSA、odorat)、取材/肥田木奈々
※2024年9月号発売時点の情報です。
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