大谷翔平から“逃げなかった”青年監督に止まぬ賛辞 韓国紙も決断を絶賛「大記録は“男らしい”敵将がいなければ不可能だった」

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現役時代にドジャースでもプレーしていたシューメーカー監督。彼の采配は小さくない注目を集めた。(C)Getty Images

 大谷翔平(ドジャース)から「逃げなかった」青年指揮官の采配は、ある意味で“粋”だった。

 日本でも小さくない注目を集めたのは、現地時間9月19日に行われたドジャース戦で、マーリンズのスキップ・シューメーカー監督の決断だ。

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 この試合では大谷が6打数6安打3本塁打2盗塁10打点という離れ業をやってのけ、MLB史上初となる「シーズン51本塁打・51盗塁」(※翌20日には52-52に更新)を達成。世界的な話題となった。そうした中でシューメーカー監督は、大谷に対して一度も敬遠策を行使せず。ビハインドの状況でドジャースの主砲との真っ向勝負を選んだ。

 点差が開いたとはいえ、大谷は敵チームにとって最大のポイントゲッターである。勝負を避けることはセオリーではあった。しかし、試合後の会見でシューメーカー監督は、「大きく点差が離れていた状況でオオタニを敬遠することは野球的にも、私のカルマ的にも、そして野球の神様的にも、悪い行動だと思った」と断言。そして「恐れずに立ち向かったチームを誇りに思うし、野球はそうあるべき」と若手も多いチームを慮り、自身の信念を口にした。

 結果的に偉才の大記録誕生にも繋がった。そんな賛否両論をも巻き起こした采配は、海外メディアでもクローズアップされている。韓国メディア『OSEN』は、「大谷の51-51という大記録の樹立は“男らしい”敵将がいなければ不可能だった」と指摘。そして、44歳の若き指揮官の強気とも言える采配をこう評している。

「マーリンズは大谷の犠牲にならないこともできた。だが、いかなる局面でもシューメーカーは真正面から天才との勝負を選んだ。その大記録の犠牲になることをも恐れない心意気と決断が野球界の新しい歴史を創造するのに大きな役割を果たした」

 敵投手陣から真っ向勝負を挑まれ、それに打ち勝つ。そんな大谷もまた見事。あらためて伝説と呼ぶにふさわしい試合であった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]