1缶1000円のA5ランク松阪牛入り缶詰「缶バーグ」は、非常食を超えた「ごちそうの味」がした
こんにちは、Togetterオリジナル編集部のToge松です。缶詰にハマってます。
最近いろいろな缶詰を食べているが、たまに「缶詰ってけっこう高いよな」と思うことがある。
私が興味本位で値札を見ずに買ってしまうせいもあるが、今の缶詰市場は品数豊富で競争が激化しており、値段は高くとも調理や素材にこだわった個性的な缶詰がいっぱいあるのだ。
今回紹介する缶詰も、そうした缶詰のひとつ。その名を「缶バーグ」という。
ハンバーグには、なんとA5ランクの松阪牛が入っているらしい。マジか。
1缶およそ1000円という「缶バーグ」とは
「缶バーグ」を手掛けたのは、銀座で高級しゃぶしゃぶ・すき焼き・精肉店を営んでいる「銀座吉澤」。1924(大正13)年創業という食肉の仲卸業者「吉澤畜産」が運営している、和牛の取り扱いに長けたプロである。
私が「缶バーグ」を買ったのは大丸東京のB1Fにある明治屋だが、価格はなんと1個972円(税込)。味は「カレーソース味」「デミグラスソース味」「和風ソース味」の3種類があった。
缶詰にハマってるとはいえ、1缶に1000円前後を支払うのはさすがに躊躇する。
悩みまくって売り場を3往復くらいした末、「デミグラスソース味」をむんずと掴み、買い物かごに入れたのだった。
…で現在、こうして家で「缶バーグ」と対峙しているわけだが、頑丈さがとりえの缶詰をさらに厚紙で包装している、という時点ですでに高級感がスゴい。
表面には金色の文字で「松阪牛A5入りハンバーグ」と書かれている。なお、ハンバーグに使われている肉(豚と牛)の総量のうち、松阪牛は36%を占めているそうだ。
気になる「缶バーグ」の味はいかに
やや緊張しながら缶詰のふたを開けると、中にはこぶしより一回り小さいくらいのハンバーグがごろんと入っていた。
そのままで食べるのもどうかと思い皿に移してみたが、ちょっと残念な盛り付けになってしまった。せっかくならちゃんとニンジンとかブロッコリーとか副菜にも考慮すべきだった。
さっそくいただこう。ナイフとフォークを使ってハンバーグを切る。
当たり前ではあるが、ちゃんと肉を切っている感じがする。
ハンバーグを口に入れると、意外と固めで、噛むごとにずっしりと重い感触が伝わってくる。
よく練り込まれた状態なので肉の食感とはまた違うが、しっかりと密度があり、小ぶりと思わせて食べごたえのあるハンバーグだ。常温で食べたせいもあるので、温めると脂が溶け出し常温とは異なる味わいになるかもしれない。
公式サイトには「味付けは塩・こしょう・ナツメグだけで、添加物や化学調味料は使用しておりません」とある。たしかにシンプルな味わいで、ハンバーグにデミグラスソースの酸味とコクがあいまって、肉を美味しさを楽しんでもらおうという意図が感じられる。
デミグラスソースがまた美味しく、単純にハンバーグソースとして利用するだけでは少々もったいないくらい。パンに付けたりとか別の活用方法を考えてみると良いかもしれない。
果たして1缶1000円は買いか?
「缶バーグ」は缶詰の枠を超えた味わいで、完全に「ごちそう」であることは間違いない。
一方で、懸念点もあった。「缶バーグ」単品だと塩気を強く感じやすい点が少し気になった。私が常温で食べたことも影響している可能性もあるが(料理は温度が下がると塩分を感じやすい)、保存食なので意図的に塩分を濃くしている可能性もある。
個人的にはそのまま食べるよりも、お酒のつまみのほか、ロコモコなどの料理の具材に使うとデミグラスソースも活用できて楽しめそうだと感じた。
そもそも公式サイト(記事上部にある画像参照)を見ると、「缶バーグ」は「災害時にこそ美味しいお肉を食べて元気になって欲しい」という思いから生まれたという。たしかに災害時に「缶バーグ」があれば、テンションがめちゃくちゃ上がるに違いない。
1個約1000円とけっして安くはないが、非常時の不安な気持ちを支えてくれる一品になるかもしれない。1000円の価値について改めて考えさせられる良い体験となった。