【新事実】兵庫・斎藤元彦知事“告発者捜し”内容詳細判明「聞き回っとるんやろ」片山安孝前副知事の告発者追及“やりとり全容” 

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兵庫県斎藤元彦知事をめぐる内部告発問題で、今年3月に県の幹部が行った、元県民局長への聴取の内容が「めざまし8」の取材で明らかになりました。
その内容は元県民局長を執拗に問い詰める“告発者捜し”の詳細なやりとりでした。

問題の発端は、3月に行われた会見で斎藤知事が、元西播磨県民局長の男性がパワハラ疑惑などで斎藤知事らを告発したことについて、「事実無根」「嘘八百」「公務員として失格」などと発言。

当時副知事だった片山安孝氏らに告発者を特定するよう指示し、告発文は「真実相当性がない」として「公益通報」としては扱わず、元局長を懲戒処分にしたことでした。

「誰とやりとりしとったんや」執ような“告発者捜し”

知事の指示を受けて、3月に行われた聞き取り調査。「めざまし8」の取材によると、元県民局長の聴取に当たったのは、片山前副知事だったといいます。
その際のやりとりが、ICレコーダーに残されていました。

片山副知事(当時)「色んなやりとり、県政のかなりのこと、あれ、誰とやりとりしとったんや、誰が入っとんや?だってやで、こんなもん全部自分一人で情報集めとんかいうたら、聞き回っとるんやろ」

元県民局長「いや、聞きまわっとるというか、世間ではいろんなうわさがもう飛び回ってるから」

片山副知事(当時)「これ一個だけ見つけたっていうふうに思うか?わしが1年間の(元県民局長のパソコンの)全部の記録、今 全部チェックさせとんねん。いろんな人の名前があんなん全部出てきたわ。やりとりしてるの出とるやないか1年間。
かなり前から。どういうこっちゃ、文句あってやっとったんか。こんな文書が存在するんやったら、作ってないって言うんか」

元県民局長「知りません」

片山副知事(当時)「ほな、その文書は、誰かに渡したんかい、誰に渡したんや」

元県民局長「いや、だから誰にも渡してませんけど」

片山副知事(当時)「これほとんど一致するような内容で、知事を告発するような文書が県庁に届いたんや。なんでそこでお前のとこにこんな物があるんや。まったく一致する物が」

元県民局長「でもこれってみんなあちこちで言ってる話ですやん」

片山副知事(当時)「何を言うとんねや。お前。ほんまに作った覚えはないと言い張るんか。ないこと、あることな、まぁ、ないことの方が多いけどさ。推測的なこともあるかもしれへんけど、警察に持ち込もうかと思ってる?一切知らんて、最後まで言うの?」

「知られてないこと」“おねだり疑惑”についての聴取では…

片山副知事(当時)「これなんやロードバイク、知事受けとったんか?アイアンセット、受けとったんかい。コーヒーメーカー、これなんや、こんなん皆 知らんやろ。知っとんか、誰から聞いたんや」

元県民局長「でもそれも、みんな噂してますよ」

片山副知事(当時)「明らかに、言うたら悪いけど、“知られてないこと”も書いてあるしな」

元県民局長「知られてない?」

片山副知事(当時)「うわさになってないことも書いてある、俺がみてもな。最後まで全部知らんって言い張る?これだけ嫌疑かけとんねんからな」

元県民局長「だから、こういうのを調べとったことは事実としてあるというのは申し上げますけど、あちこち配ったというのは、僕は一切してない」

「誰から聞いたのか」と繰り返す片山氏と、「噂話などをまとめた」とする元県民局長。告発文を作成したのは自分ではないと繰り返し否定しますが、片山氏は引き下がりません。

片山副知事(当時)「外には出してません、という答えがあったけど、なんでこんな情報を集めようとしたんや、それを教えてくれや」

元県民局長「いろんな人がいろんなクレームじゃないけど、知事に対する不満をもってはるんやね、いろんな情報が目に入ってくるから、それをね、まあ書きためとったみたいなことなんですよね」

片山副知事(当時)「書きためてどないしよう思っとったん?」

元県民局長「どないしよういうのは、その時その時でね、ひょっとしたら、役に立つことがあるかもしれないし」

片山副知事(当時)「今からきっちり調査せなしゃあないやないか、県民局長がやっとんねんからさ。普通の一般職員やったらまだしもな、県民局長がこれだけ県政批判してるんやで。
名前が出てきた者は一斉に嫌疑かけて、調べなしゃあないからな。名前が出てきた者は、在職しとるということだけ忘れんとってくれよな。まあ、手始めにAあたりが危ないと思うんやけどな」

片山氏の調査では最後まで、告発文書について「知らない」と主張した元県民局長。

聴取が終わった後、元県民局長は片山氏が「危ない」と名前を出した調査対象の職員A氏に電話をかけ、自身が文章をまとめたこと、告発文を警察と議会とマスコミに送ったことを明かし、「Aちゃんがつながっているんじゃないかと 勘ぐっていたから、ちょっと気にしとって」と伝えました。

このとき、A氏は聴取を受けている最中で、幹部に通話をスピーカー状態にするよう指示されていたことが関係者への取材で分かっています。

その後、元県民局長は県の公益通報窓口に告発しましたが、3カ月の懲戒処分を受け、今年7月、亡くなりました。

片山氏「本当に痛恨の極み」

元県民局長が亡くなった5日後、県政に混乱を招いたとして副知事を辞任した片山氏。

片山前副知事:
職員が一人亡くなったということにつきましては、本当に残念で心からお詫び申し上げます。前から非常によく知っていた職員でありますので、このこと、亡くなったという事実につきまして、本当に痛恨の極みとこのことについてこういうふうに思っております。
一人の職員がいろんな文章を出したということですが、私の想定を上回る展開になった
ことについては、そういうことに十分に対応できなかったことが、悔やまれて、仕方がございません。

辞任会見では、亡くなった職員に対して「悔やまれて仕方がない」と話していました。

また、9月6日の百条委員会では、亡くなった元県民局長に対して聴取を行った際に、告発者を探すために人事権をちらつかせるような発言をしたことについて、こう述べてました。

片山前副知事:
告発者を探し出そうということは、ご指摘の通りだと思います。その時の一つ一つの発言について、厳しいところがあったことは、委員長ご指摘の通りだと思います。その点は反省しております。
(めざまし8 9月16日放送)