アメリカのシュミット海洋研究所が、南東太平洋・チリ沖で実施した深海調査によって、20種の新種を含む多数の生物を発見したと発表しました。発見された生物の中には「空飛ぶスパゲッティ・モンスター」の愛称を持つマガタマニラも含まれています。

High Seas and Seamounts of the Nazca Ridge | 4K ROV Highlights - YouTube

New Seamount and Previously Unknown Species Discovered in High Priority Area for International Marine Protection - Schmidt Ocean Institute

https://schmidtocean.org/new-seamount-and-previously-unknown-species-discovered-in-high-priority-area-for-international-marine-protection/

Watch 'spaghetti monster' with dozens of pink-tipped sausage legs swimming near Nazca Ridge | Live Science

https://www.livescience.com/animals/cnidaria/watch-spaghetti-monster-with-dozens-of-pink-tipped-sausage-legs-swimming-near-nazca-ridge

Schmidt Ocean Institute Discovers 20 New Species Along the Remote Nazca Ridge - Colossal

https://www.thisiscolossal.com/2024/09/schmidt-ocean-institute-20-new-species/

シュミット海洋研究所は2024年8月にチリから900マイル(約1448km)沖合のナスカ海嶺(かいれい)で深海調査を実施しました。調査では新たに発見された高さ3109mを超える海山の地図作成が行われたほか、無人探査船「ファルコール号」を使った生物の調査も行われました。

A Mosaic of Life | High Seas and Seamounts of the Nazca Ridge - YouTube

2024年1月から2月にかけて行われた調査では、ナスカ海嶺と隣接するサラス・イ・ゴメス海嶺に沿って100種類以上の新種や巨大な海山が発見されています。そのため、海洋生物学者のアレックス・ロジャーズ氏は「南東太平洋にある海山は、驚くべき生物多様性の温床となっています」と語っています。

今回の調査では、20種に上る新種の生物が発見されたほか、これまでに網にかかった死骸しか確認されていなかった「Promachoteuthis(ダルマイカ)」科のイカが発見されました。



また、南東太平洋では初となる「キャスパーオクトパス」の愛称を持つタコの撮影にも成功しました。



さらに、クダクラゲの一種「Bathyphysa conifera(マガタマニラ)」も見つかっています。マガタマニラは「ズイード」と呼ばれる群体が集まって構成されるヒドロ虫の仲間で、それぞれが生殖や消化などの特定の機能に特化しており、数メートルの長さに成長するのが特徴です。



シュミット海洋研究所によると、今回の調査を含めのべ3回の研究により、南東太平洋の既知の生物種は2023年の1019種から1300種以上に増加したとのこと。

ロジャーズ氏は「今回の調査は、海嶺に暮らす生命体の分布についての理解を大幅に深めるでしょう。その中には、これまで人の目に触れたことのない生物も含まれるはずです」と述べています。