「iPhone 16」「iPhone 16 Plus」が登場、Apple Intelligenceのための新型iPhoneでは一体どんなことができるのかが明らかに
Appleが「iPhone 16」と「iPhone 16 Plus」を発表しました。AppleはiPhone 16を「Apple IntelligenceのためのiPhone」と豪語しており、最新のiPhoneとApple Intelligenceで一体どんなことができるのかを具体的に説明するようなプレゼンテーションが行われました。
Apple、iPhone 16とiPhone 16 Plusを発表 - Apple (日本)
iPhone 16とiPhone 16 Plus - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/iphone-16/
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iPhoneは私たちの生活のあらゆる面に大きな影響を与え続けています。
AppleはパーソナルAIのApple Intelligenceで、こうした体験をより豊かなものにすることを目指しています。
そんなApple Intelligenceのために作成された次世代iPhoneがiPhone 16およびiPhone 16 Plusです。
iPhone 16の見た目はこんな感じ。
本体側面にカメラ操作用のカメラコントロールが追加されました。左右にスワイプすることでカメラのズームインズームアウトなどの操作も可能で、カメラ操作がより簡単かつ直感的に行えるようになります。
Apple Intelligenceもバッチリ動作します。
デザインはこんな感じ。
航空宇宙産業レベルのアルミニウムを筐体に使用。
筐体には85%再生素材を使っています。
iPhone 16は他に類を見ないカラーが魅力です。
美しい新色も登場。
新色は左からピンク、ティール、ウルトラマリンの3色。
これに既存のホワイトとブラックを含めた5色展開です。
高い耐水性能と防塵性能も持ち合わせています。
ディスプレイのカバーガラスにはAppleの最も先進的なガラスセラミック組成である、最新世代「Ceramic Shield(セラミックシールド)」が使用されています。
最新のセラミックシールドは初代よりも50%頑丈で、他のどのスマートフォンのガラスよりも2倍頑丈とのこと。
iPhone 16のディスプレイはあらゆる条件下で格段に見やすくなっており、輝度は最大2000ニトとなっており、太陽光の下でも見やすくなっています。
一方、暗い場所では1ニトまで輝度が下がります。
ディスプレイサイズはiPhone 16が6.1インチ、iPhone 16 Plusが6.7インチです。
iPhone15 Proシリーズから新しく登場した「アクションボタン」がiPhone 16にも搭載されます。
iPhone 16は全く新しい画期的なカメラコントロールも搭載しています。
これにより、クリックするだけで即座にカメラにアクセス可能。
カメラコントロール上で指をスライドさせればカメラのさまざまな機能を調整することができます。
カメラコントロールから瞬時に視覚的インテリジェンスにアクセス可能。
iPhone 16は美しいデザインに加えて、内側のパワフルな性能も魅力です。
このパワフルな性能を支えるのが、途方もなく高い演算能力を持つA18チップです。A18チップはiPhone 16向けに新しく開発されたもので、iPhone 15 Proに搭載されていたA17 Proがそのまま搭載されるということではない模様。
アップグレードしたNeural Engineは16コア。
これにより機械学習は最大2倍高速になります。
システムメモリの帯域幅は17%向上。
A18の設計には第2世代3nmテクノロジーを採用。
CPUは2基の高性能コアと4基の高効率コアを搭載しており、処理速度はiPhone 15のCPUと比べて最大30%、iPhone 12のCPUと比べて最大60%高速です。
iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Max、iPhone 15、iPhone 15 Plusに搭載されているA16 Bionicと比べて、CPUの電力効率が向上しており、30%少ない電力で同じパフォーマンスを発揮することができます。
AppleはA18について、「このチップは他社製のどのスマートフォンより速い」と豪語しています。
A18のGPUは5コアで、Apple Intelligenceのみならずさまざまなグラフィックス処理でも活躍します。
処理速度はiPhone 15のGPUと比べて最大40%、iPhone 12のGPUと比べて最大2倍高速です。
電力効率もA16 Bionicより高く、35%少ない電力で同じパフォーマンスを発揮できます。
続いてiPhone 16の目玉機能といえるApple Inteligenceについて。
Apple Inteligenceはパワフルな機能をパーソナルコンテクストにもとづいて提供します。
そのために、AppleはPrivate Cloud Computeを使用します。
Private Cloud ComputeはユーザーのiPhoneのセキュリティを守りながら、ポケットサイズのデバイスには収まらない大型モデルにアクセスできるようにするための仕組みです。
Private Cloud ComputeはAppleシリコンで独自に構築したサーバーで、iPhoneに代わって膨大な演算処理を実行します。
さらに、Private Cloud Computeの確実性を独立した専門家が継続的に検証できるようにしたそうです。
これは業界初の試みで、AIのプライバシー保護における大きな前進であるとAppleは語りました。
Appleシリコンサーバーは電力効率もワールドクラスです。
動力源には他のデータセンターと同じ100%再生可能電力を使用。
続いて、Apple Inteligenceを利用することでコミュニケーションや自己表現がどのように変化するのかについて。
Apple Inteligenceの機能の一部である作文ツールでは、書き始めたメモ書きを洗練された招待状に清書することが可能。
Slackで上司宛てに送信するビジネス向けのメッセージを作文ツールを使って生成することも可能。
Goodreadsで書いたレビューを読書好きな仲間に公開する前に校正することもできます。
さらに、入力した内容に合わせて新しい絵文字を作ることも可能。
「Cowboy frog(カエルカウボーイ)」のような通常の絵文字ではありえないものを自由に生成することができます。
Apple Inteligenceの画像生成機能である「Image Playground」では、遊び心のあるオリジナル画像を生成可能。
さらに、Apple Inteligenceがユーザーの大切な思い出をよみがえらせます。
写真フォルダの中にはいつどこで撮ったか思い出せない写真もあります。
Apple Inteligenceなら、そんないつどこで撮ったかわからない写真でも、ワード検索で探し出すことが可能。
検索ワードに当てはまるようなシーンを含む動画の、該当シーンにジャンプすることも可能。
関連写真や動画を自動で選択してまとめる機能もあります。
コミュニケーションの優先順位をつけて大事な内容に集中できるようにする機能もあります。
メールアプリでは受診ボックスでのメール探しが簡単になります。
通知内容も要約されます。
優先通知がスタックの一番上に表示されるので、手を付けるべきタスクが一目瞭然です。
さらに、Apple InteligenceによりSiriも大きく変化します。
Siriは多少の言い間違いがあってもユーザーの意図を把握することが可能に。
iPhoneの操作方法についてもSiriが手順を示せるようになります。
また、Siriでアプリ上のアクションを多数実行することが可能に。
このようにApple IntelligenceはiPhoneでの体験を根本から変革してくれるわけです。
Apple Intelligenceは2024年10月から、アメリカ英語版の提供がスタート。
2024年12月からはオーストラリア・カナダ・ニュージーランド・南アフリカ・イギリスでもローカライズされた英語版の提供が開始。
さらに、2025年には中国・フランス・日本・スペインでも提供される予定です。日本語版は2025年内とのことですが、詳細なリリース時期は未定です。
続いて、カメラコントロールについて。iPhone 16の右側面の電源ボタンの下にカメラコントロールが追加されます。これをクリックするとカメラをすぐに起動することが可能。
欲しいと思った自転車を見かけた時には、カメラコントロールをクリックしてカメラを起動し、自転車を撮影してGoogleで画像検索することができます。
大学の講義資料でわからない部分があれば、撮影してChatGPTに質問することも可能。
この機能は2024年内にカメラコントロールに追加されます。
カメラコントロールは横向き・縦向きのどちらでも使用可能。
カメラコントロールはサファイアクリスタルで覆われており、ステンレススチールトリムで囲われています。
クリックするとカメラが起動し、もう一度クリックすると撮影が可能。また、長押しすると動画撮影ができます。
カメラコントロールにはクリック操作用の触覚スイッチがあり、Taptic Engineと相互作用して触覚フィードバックが得られ、カメラのシャッターのような感覚が得られるとのこと。
また、タッチジェスチャーを認識するための小型のマルチピクセル静電容量センサーと信号プロセッサが内蔵されており、押し込むようなクリックと軽く押す操作を区別することも可能。軽く押すとカメラのUI要素を消したり、オーバーレイを表示したりすることができます。
さらにカメラコントロールをスライドするとズームや被写界深度などを調整可能。
純正カメラアプリ以外のカメラアプリでもカメラコントロールを利用可能となります。
iPhone 16に搭載されているメインカメラは以下の通りで、カメラモジュールが正方形型から縦型のスリムなものになりました。メインカメラは48メガピクセル・焦点距離26mm・f/1.6。
iPhone 14のメインカメラより4倍高い解像度で撮影できるとのこと。
メインカメラの画像パイプラインでは超高解像度の画像を最適な露出画像と組み合わせられます。4つのピクセルを1つの大きなピクセルとして結合する仕組みが採用されています。
センサー中央の12メガピクセルを使用してフル解像度の写真撮影で2倍望遠オプションを使えるようになっているとのこと。これにより、2倍望遠専用カメラよりも明るい絞り値を持ち、最大1.6倍の光を取り込むことができるとのこと。
48メガピクセルの写真撮影機能と光学2倍望遠を組み合わせた「48MP Fusionカメラ」がメインカメラです。
4K・60fpsのドルビービジョンHDRでムービーを撮影可能。
超広角カメラは12メガピクセル・焦点距離13mm・f/2.2。従来の超広角カメラと比較して、最大2.6倍の光を取り込むことができ、マクロ撮影にも対応しました。
加えて、Apple Vision Pro用の空間ビデオも撮影可能。
また、iPhoneとしては初めて空間写真も撮影できるようになりました。
そして、機械学習アルゴリズムを使って、ムービー撮影中の風切り音を低減できるとのこと。
カメラ関連の機能をまとめたのが以下のグラフィックです。
続いて、iPhone 16に搭載されるA18チップについて。
熱設計を見直すために、メインロジックボードを改良するためにチップを中央に配置し、周囲のアーキテクチャが最適化されました。
放熱のため、100%再生アルミニウム製で熱伝導率が高い基板を追加しています。これにより、iPhone 16でのゲーミングパフォーマンスが30%長く持続するとのこと。
そして、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングにも対応するので、水面に映る太陽の光などをより正確に表現できるようになります。
ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングは、ソフトウェアベースと比較して最大5倍高いフレームレートでレイトレーシングを実行可能。
ゲーム「Honor of Kings: World」では、iPhone 16用に最適化された超グラフィックスモードが用意されるとのこと。
iPhone 16に搭載されているA18の電力効率の高さとiOS 18の電力管理機能によって、バッテリーの駆動時間は大幅に伸びたそうです。
衛星経由の緊急SOSでは、緊急SOSライブビデオが可能に。ライブビデオフィードや写真を提携している緊急通報サービスと共有できます。
緊急SOSライブビデオや衛星経由のメッセージ機能などの衛星通信機能の新サービスは、まずアメリカやカナダで提供開始されます。
衛星経由の緊急SOSと「探す」機能は記事作成時点で日本を含む17の国や地域で利用可能。
衛星経由のロードサービスは2023年からアメリカで提供されており、イギリスでも近く利用できるようになるとのこと。
iPhone 16の機能まとめが以下。
iPhone 16は128GBモデルが税込12万4800円、256GBが税込13万9800円、512GBが税込16万9800円です。iPhone 16 Plusは128GBモデルが税込13万9800円、256GBモデルが税込15万4800円、512GBモデルが税込18万4800円です。
iPhone 16およびiPhone 16 Plusは2024年9月13日21時から予約注文開始で、発売日は9月20日です。
iPhone 16の機能をまとめた紹介ムービーも公開されています。
Introducing iPhone 16 | Apple - YouTube
さらに、発表会で紹介されたApple Intelligenceの機能についてまとめた動画も公開されていました。
Apple Intelligence on iPhone in 5 minutes - YouTube