「出戻り社員は白い目で見られる」 急速に広がる「カムバック採用」は“メリットばかり”ではなかった?
近年、働き方の多様化や人手不足を背景に、「カムバック採用」を取り入れる企業が増えています。「カムバック採用」とは、一度退職・転職した人をまた社員として再雇用すること。「アルムナイ(卒業生・同窓生)採用」とも呼ばれ、トヨタや三菱電機などの大手企業を中心に、多くの企業で取り入れられています。
新しい採用手法として急速に広がる「カムバック採用」ですが、実際にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。SNSの声から探ってみます。
「『どこに行っても通用しない人』が出戻ってくるだけ」
カムバック採用を取り入れる大きなメリットとしては、「採用後のミスマッチが起きにくい」点が挙げられます。出戻り社員は、既に企業の文化や雰囲気を理解した上で、改めて入社を希望しているため「入社してみたら想像と違った」ということは起こりにくいです。また、企業側も人柄や勤務態度を把握しているので、安心して採用できるでしょう。
カムバック採用では、勤務していた頃の評価が分かるため、通常の採用プロセスよりもスピーディーな選考・採用ができ、採用コストの削減につながることもメリット。さらに、入社後の初期研修などを省略して、即戦力として活躍する可能性が高いところもメリットといえそうです。
一方で、やはりメリットばかりではない側面も。カムバック採用を推進することで「『転職がダメだったら戻ってくればいい』という考えで退職者が増えた」「優秀層の流出が増えて余計に人材不足になった」との声も聞かれます。また、一度退職した社員が待遇をアップして再度雇用されることが、既存社員の不満につながるという点もデメリットとして挙げられています。
カムバック採用で再雇用される人に対しては、「出戻り社員は白い目で見られる覚悟も必要」「『どこに行っても通用しない人』が出戻ってくるだけ」といった厳しい意見もありました。
企業側には「既存社員の引き止め策も同時に講じないと、人材流出が止まらなくなるから諸刃(もろは)の剣」「カムバックするより働き続ける方が得する仕組みをつくるべき」といった意見も多く寄せられています。
今後、カムバック採用が当たり前の時代となるのか……各企業の動向に注目していきたいものです。あなたは、「カムバック採用」のメリットやデメリットについてどう思いますか?