劇的なゴールを決めた遠野。チームメイトが駆け寄る。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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[ルヴァン杯・準々決勝・第2戦]甲府 1−1 川崎※トータルスコア1−2で川崎が勝ち抜け/9月8日/JIT リサイクルインク スタジアム

 9月8日にルヴァンカップ・準々決勝の第2戦が各地で行なわれ、J2甲府とJ1川崎の一戦は1−1のドローながら、第1戦を1−0で制していた川崎が準決勝進出を決めた。

 第2戦を引き分けでも勝ち抜けられる川崎だったが、前半はリズムが出ず、31分にはホームの甲府に先手を取られた。CKからDF孫大河に豪快なヘッドを決められ、その後はチャンスを作れどもモノにできない時間が続く。

 そんな川崎を救ったのは途中出場のアタッカー・遠野大弥だった。後半アディショナルタイム、こちらも途中出場の右SBファンウェルメスケルケン際の弾道の低いクロスに、ニアでダイビングヘッドで合わせる。

「あそこはもう頭で。小さい頃からそういう練習をしていたので報われて良かったです」

 ボールは逆サイドのネットに吸い込まれる。トータルスコアで勝ち越す劇的弾だった。

 遠野は第1戦では先発し、アドバンテージを得る貴重なゴールも決めていた。しかし、第2戦はベンチスタート。悔しさもあったという。

 それでも与えられた任務をキッチリこなす仕事人だ。「90分で仕留めよう」。鬼木達監督のメッセージを実現させた。

「僕がニアでつぶれて、後ろが決められれば良いかなと全力で走った結果でした。良いところにボールが来たので、決められて良かったです。ファーに打てば、こぼれて誰かが打つだろうと思ってファーに打ったので、結果的に良かったです」

 チームの勝利のためにと、殊勝なコメントも残す。
【動画】甲府×川崎ハイライト
 それでも値千金のゴールの後には「一回ベンチに行こうかと思いましたが、結構(アシストした)際くんのところにみんなが行っていたので、ちょっと違うな」と、サポーターのもとへ走った。

「アウェーの地まで足を運んでくださっているので、サポーターの方々のために点を取れて良かったですし、それを表わした感じです」

 ヒーローとしてスポットライトを浴びるように、サポーターの前を駆け回りながら喜びをともにし、チームメイトに荒い祝福を受ける。そんな歓喜に感慨深いひと言も残す。

「いやーあれをやるためにサッカーをやっているみたいなもんですからね。嬉しかったですし、めっちゃ良いゴールでした」

 チームをルヴァンカップ・ベスト4に導いた男は、さらなる頂を目指す。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)