Googleが8月に発表したPixelスマートフォン新製品「Pixel 9」シリーズ。8月22日に発売した「Pixel 9」「Pixel 9 Pro XL」に続いて、9月4日に「Pixel 9 Pro」が発売されました。これまでコンパクトサイズの無印モデルと大画面で高機能な上位モデルのProをラインアップしてきたのに対して、Pixel 9 Proは画面サイズ違いの“コンパクト上位モデル”という位置づけの製品です。この記事では、Pixel 9との違い、Pixel 9 Pro XLとの違いをサイズ感や仕様から確認していきます。

Pixel 9 Pro XLと同じカメラ機能や、Pixel 9シリーズに共通するAIを活用した撮影・編集機能、Geminiとの連携については、Pixel 9とPixel 9 Pro XLのレビュー記事でご確認ください。

Googleの新スマホ「Pixel 9」「Pixel 9 Pro XL」レビュー 基本性能がアップした無印と大画面上位モデルをじっくり比較
https://getnews.jp/archives/3552251[リンク]

スペックをおさらい

Pixel 9 Proの本体サイズはH152.8×W72.0×D8.5mm、重量は199g。本体カラーはObsidian、Porcelain、Hazel、Rose Quartzの4色。フレームは光沢仕上げで背面ガラスはサラっとしたマット仕上げになっています。6.3インチ 2856×1280 OLEDのSuper Actuaディスプレイは前モデルと比べて15％明るくなり、狭ベゼルの大画面を実現。ガラスにはCorning Gorilla Glass Victus 2を採用しています。

Tensor G4チップを搭載し、OSはAndroid 14。7年間のOS、セキュリティー、Pixelアップデートを保証します。RAMは前モデルの12GBから16GBに強化し、ストレージ容量は128GB、256GB、512GB。バッテリー容量は4070mAh。最大27Wの急速充電により、約30分で最大55％の充電に対応します。ワイヤレス充電は最大21Wに対応。IP68に準拠した防水防塵に対応します。USB Type-CポートはDP Alt(Display Port Alternate mode)出力に対応。スマホ画面に表示した映画、テレビ番組、スライドなどを外部ディスプレイの大画面にミラーリングできます。指紋認証センサーは従来の光学式センサーから超音波センサーに変更され、指紋の認識が速く、正確になりました。インカメラによる顔認証にも対応します。

Pixel 9シリーズから、カメラバーは楕円形の板状デザインに変更されました。f/1.68で視野角82°の5000万画素広角とf/1.7で視野角123°、f/1.7でマクロフォーカス対応の4800万画素超広角、4800万画素で視野角22°、f/2.8で光学5倍ズーム、超解像ズームで最大30倍の撮影に対応する望遠の3眼カメラを搭載します。これにより、0.5倍、1倍、2倍、5倍、10倍レンズ相当の光学品質での撮影を実現。インカメラはf/2.2で視野角103°の4200万画素カメラで、オートフォーカス機能を搭載します。

Pixel 9と比較

まずPixel 9との比較から。2つを重ねてみるとぴったり合うように、本体サイズはまったく同じ。重量はPixel 9 Proが1gだけ、重くなっています。

画面サイズは同じ6.3インチですが、解像度がPixel 9 Proは2856×1280、Pixel 9は2424×1080であることから、表示できる情報量はPixel 9 Proが多くなっていることが分かります。Pixel 9がActuaディスプレイ、Pixel 9 ProがSuper Actuaディスプレイであることから、画面の明るさは最大2700nitsと最大3000nitsという性能差があります。

カメラはPixel 9が2眼であるのに対して、Pixel 9 Proは3眼。カメラバーの外観から違いが分かります。性能面では、広角カメラと超広角カメラは同じ仕様なので、望遠カメラの有無が差別化ポイント。インカメラはPixel 9がf/2.2で視野角95°の1050万画素カメラ、Pixel 9 Proがf/2.2で視野角103°の4200万画素カメラと仕様が異なります。

外観上、Pixel 9とPixel 9 Proは背面とフレームの仕上げが異なるのですが、純正カバーを装着するとカメラバー以外の背面とフレームをすっぽり覆ってしまうので、カメラバー以外はほぼ同じ外観に。もちろん、同じサイズなのでどちらも同じカバーを装着することができます。

バッテリー容量は同じ4700mAh。急速充電は同じく最大27Wに対応しているのですが、ワイヤレス充電ではPixel 9が最大15W、Pixel 9 Proが最大21Wと異なることから、ワイヤレス充電に関しては充電速度に差が出てしまいます。

Pixel 9 Pro XLと比較

Pixel 9 Pro XLとの比較では、サイズ違いという点が主なポイント。Pixel 9 Pro XLの本体サイズはH162.8×W76.6×D8.5mm、重量は221g。

画面サイズはPixel 9 Pro XLが6.8インチに対して、Pixel 9 Proが6.3インチ。解像度はPixel 9 Pro XLが2992×1344に対して、Pixel 9 Proは2856×1280。当然、表示する情報量が異なります。

バッテリー仕様も異なります。Pixel 9 Pro XLが容量5060mAh、最大37Wの急速充電と最大23Wのワイヤレス充電に対応するのに対して、Pixel 9 Proは容量4700mAh、最大27Wの急速充電、最大21Wのワイヤレス充電に対応となっています。

ベンチマークにはそれほど差がない？

パフォーマンスに違いは見られるのでしょうか。Pixel 9シリーズはいずれも同じTensor G4チップ搭載で、RAM容量がPixel 9は12GB、Pixel 9 Pro/Pro XLが16GBと異なっています。

ベンチマークを実行してみたところ、グラフィックスベンチマークの3D MarkのWild Life ExtremeではPixel 9が2574、Pixel 9 Proが2620、Pixel 9 Pro XLが2579と、あまり差が見られませんでした。

AI処理能力を見るためにGeekbench AIのCPUベンチマークを実行したところ、Pixel 9 が2044、Pixel 9 Proが2177、Pixek 9 Pro XLが2084と、こちらもあまり差が見られません。

パフォーマンスの差でしのぎを削るゲーミングスマートフォンと比べると、PixelスマートフォンはGoogle最新のカメラ性能やAI連携が魅力となる製品。一般的なベンチマークでは比較が難しいところですが、少なくとも3モデルに大きなパフォーマンスの差はないものと考えてよさそうです。

3モデルでどれを選ぶ？

3モデルの違いを見てきましたが、大画面かコンパクトか、望遠カメラが必要かどうか、充電の速さを重視するかどうか、あとはデザインや色の好みで選択が分かれそうなPixel 9シリーズ。Pixel 9 Proの「プレミアムなコンパクトモデル」というコンセプトは、今後のPixelスマートフォンで定着していくのでしょうか。