総裁選への出馬表明後、Xに頻繁に投稿している林芳正氏(写真・梅基展央)

 9月3日、自民党の林芳正官房長官が、9月27日投開票の自民党総裁選で、4人めとなる出馬表明の記者会見をおこなった。立候補は、参院議員だった2012年(結果は5人中最下位)以来、2回めだ。

 林氏は、会見で「仁の政治」を掲げ、少子化対策、防災・減災、外交・安全保障の「三つの安心」を実現する“人にやさしい政治”を強調した。

 政治担当記者はこう話す。

「林氏は、自身の出身地である山口県萩市ゆかりの思想家、教育者である吉田松陰の言葉を大事にしています。松陰の語録で有名な『仁とは人なり』があります。

 仁とは“人間に備わった人を思いやる心”という意味ですから、国民を思いやる政治を行うということを伝えたかったのでしょう」

 林氏は会見時に「林ヨシマサ」と名前がカタカナで表記されたロゴ調の文字を掲示していたが、同じものを自身のXのヘッダー部分にも使用している。林氏は出馬会見後、Xにひんぱんに投稿している。

「これまで、林氏は選挙ポスターで『林よしまさ』と平仮名表記を使っており、カタカナ表記は見たことがありません。今回の躍動感のある字体といい、SNSでの発信ぶりといい、新たな“ブレーン”がいるような印象を受けます。敏腕の選挙プランナーでも雇ったんでしょうか……」(同前)

 実際に林氏のXでは、今回の総裁選への力の入れようが如実に表れている。

 林氏は、旧Twitter時代の2012年9月にアカウントを開設しており、演説日程やテレビ番組の告知などをおこなっていたが、2021年11月7日に『BSフジLIVE プライムニュース』への出演を告知して以降、いっさい更新していなかった。

 それが、9月3日の出馬会見の告知とともに突如、再開されたのだ。2年10カ月も更新しなかったにもかかわらず、この日だけで4回も投稿している。

 総裁選の候補者で林氏と同様にSNSでの“豹変”が指摘されたのが、上川陽子外務大臣だ。

 政治に詳しい週刊誌記者がこう話す。

「これまで、上川氏のXではほとんど自身による投稿は見られず、外務省公式アカウントの投稿をリポストしているだけでした。

 それが総裁選モードになってから、自らの行動を逐一、投稿し始めました。インド訪問の際は現地に向かう航空機の機長が女性だったことから、“自撮り”した写真とともに“女性の力”を強調する投稿をしていました。

 しかし、それに対して、Xでは《この、写真に撮らせてるのがウソくさいねん!》《コンサル臭がすごいのよ》といったツッコミも多かったです」

 総裁選が終わっても、国民思いの政治家として、SNSなどでの情報発信は続けてもらいたいものだ。