2020年末、当時高校卒業したばかりだったドイツ人のアントン・ローム氏は、誰でもカスタマイズ可能なプロフィールや掲示板を設置できるレトロなソーシャルネットワークサービス「SpaceHey」をリリースしました。SpaceHeyはコーディングスキル向上も兼ねてリリースしたプロダクトでしたが、なんと3年半で100万ユーザーを突破したとローム氏が報告しています。

1,000,000 - An's Blog | SpaceHey

https://blog.spacehey.com/entry?id=1245177



ローム氏は高校を卒業して間もなかった2022年末、SpaceHeyというソーシャルネットワークサービスを立ち上げました。ローム氏はSpaceHeyを作った理由として、「私たちの世代がフィードや『いいね』などが存在せず、代わりにカラフルでカスタマイズ可能なプロフィール、掲示板、フォーラムなどがあるソーシャルメディア黎明(れいめい)期を体験できるようにしたかったのです」と述べています。

SpaceHeyにはブラウザ版やiOS版、Android版があります。実際にブラウザ版でSpeceHeyにアクセスしてみると、以下のようにどこか懐かしい雰囲気が漂う簡素なトップページが表示されました。SpaceHeyで作成されたページはアカウントを持っていなくても閲覧できるので、試しに新着ユーザー(Cool New People)の欄に表示されているアカウントをクリックしてみます。



すると、自己紹介や興味のある事柄、自身のブログへのリンク、SpeceHey上のフレンドなどが表示されたページを見ることができます。



自身のページはさまざまなカスタマイズが可能で、あえて古いウェブサイトっぽく作り込んでいるユーザーもいました。



ページ上で好きな動画や自作のプレイリストを紹介したり、他SNSへのリンクを貼ったりすることもできます。



当初のローム氏には「大きなプロダクトを作る」という野望はなく、SpaceHeyを作りながらただ自身のコーディングスキルを向上させるのが楽しかったそうです。ところが、SpaceHeyはローム氏の予想を超えて成長し、2024年8月にはユーザー数が100万人を突破しました。

ローム氏は、「100万人というのは信じられないほど膨大で、単純にクレイジーです!もし誰かが2020年の18歳だった私に『SpaceHeyのユーザーが100万人を超える』と言ったとしても、私は決して信じなかったでしょう。それなのに私たちは今、ここにいます。この3年半の間に得られたサポート、出会った友人、大きなコミュニティを運営する際のテクノロジーやコミュニティ運営の課題から得られた教訓など、すべてに感謝しています」と述べました。

SpaceHeyはパーソナライズされたフィードや広告を表示せず、独立して運営されているプラットフォームであり、運営費は寄付やグッズ販売によってまかなわれているとのこと。ローム氏はSpaceHeyについて、FacebookやXのようなソーシャルネットワークを目指すのではなく、「よりパーソナルで、より楽しく、より人間味のあるもの」を目指していると主張しています。

過去数カ月にわたり、ローム氏はSpaceHeyの既存の機能を改善し、全体の動作をよりスムーズにするために注力してきたと述べています。また、ユーザー数の増加に伴って安全性の確保が課題となっているため、スパムを防ぐためにモデレーションチームの拡大や報告システムの改善などにも取り組んだとのことです。